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花×花…

「あの先生方、以前言ってた件なんですけど…葵と藤、借りていいっすか?」 徳川は三河、尾張両医師に尋ねる 「ok。尾張先生のとこは?」 「問題ない」 「品評会の部屋…おさえてあるんで。そっちでお願いします。まだ、ツバキはスキル浅いんで見せてもらうような感じで考えてます」 「分かった。品評会というと、あたり一面マットが敷いてあるとかいう?」 「そうです。鏡張りで一層盛り上がると思います」 自分が花のときに入らされた羞恥心満載の部屋を思い出し語る 「育成行けば必ず一回は品評会出されるんで予行演習もかねて…初めて入るとかなりびびるんであの部屋」 「まあ…客に花をあますことなく見せる部屋だからな。んじゃ、行くか」 3人は治療部へと連れ立ち向かった 「おはよう、葵。よく寝れたかな?」 三河が葵に近づきよしよししながら手枷をはずしていく 同時に尾張が藤に近づき耳元に口を寄せ耳たぶ裏にキスを落とし、手枷を外す 「ん…だめ。そこ弱い」 「はよ。始めよう」 2組の様子を見ていると徳川が近づいてきてツバキの手枷を外し、太腿の裏と腰に手を差し込み抱きあげられた 「わっ」 慌てて、落とされまいと徳川にツバキはしがみついた 「な。何?」 「おでかけだよ」 「葵も行くよ?気をつけて降りて…」 三河が葵が降りるのをエスコートする 「藤、お前もだ。降りてついてこい」 「は?意味不明…」 しぶしぶと藤も降りる 一向は品評会ルームへと向かう ・ ・ 「こっちって育成?ボクら育成になったの?」 「まだだよ。まだ君たち3人とも治療が必要。今日は予行演習だって」 入った部屋の異様さには3人はかたまる 「なに…ここ」 「品評会ルーム…客に花の魅力を伝えて値段を吊り上げさせる部屋だ。うまくいけばこの部屋でそのまま買われる。ここで印象に残れば後で個別に客が買いにくることもある。育成に来たら避けらんない部屋だから覚えておきな」 たんたんと説明し、ツバキを床に下ろす 「ちなみにこっちからは開けれない。時間になったら係が外から開ける…そんなシステム。だから、逃げれないから」 「葵〜…ゴローンできる?」 「や…怖いよ」 指示通りに葵は動けない。 藤はその様子をしりめに片膝をあげ片側あぐらの格好で座る 「さっさと済ませて?」 「藤…可愛いくないぞ」 尾張は藤と目線を合わせ、藤の唇にキスをする 「…ん」 手を伸ばし藤は尾張の首に絡める 「藤って本当キスが好きみたいだね。ほら、葵?藤はいい子にしてるよ?葵もがんばれるね?」 「うう…」 「しょうがないなぁ」 立ったまま三河は葵の腰を引き寄せキスをした 「んっ……ふ」 力の抜けてきた葵をキスしたまま横たえていく三河 「2人とも気持ち良さそうだな?ツバキ」 見物モードで徳川はツバキの横に座る 「ツバキもしたい?」 ふるふると首を横に振るツバキだが、視線は葵と藤に釘付けだ 「マジマジと見ることはなかったもんな?2人ともうっとりして気持ち良さそうだろ?」 「うん…そう見える」 狙っていた効果が得られそうだと徳川は笑む ツバキはドキドキした。2人とも…なんかかわいい 妙な気分だが、花を買う人間の気持ちが少し分かるような気がした

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