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第7話
ギャアアァァァアアアー!!
「ヴァイスリッター、如何されましたか。奇声を上げて!?」
これが奇声を上げずにいられるか。
「断固出廷を拒否します」
「我儘を言わないで下さい。犯人を炙り出す絶好の機会なんですよ」
それでもだ。
「変態になりたくありません」
「変態ではありません。あなたはヴァイスリッターです」
「そのマントを着たら変態です」
「伝統ある出廷服を変態呼ばわりする者はいません。ご安心下さい」
剥き出しの下半身で何を安心しろというのだ。
「とにかく、時間がありません。出廷服に着替えて頂きます」
「やめてー!」
「やめません。実力行使致します」
それって力づくと言うのでは……ギャアァァァアー!!
すぽーん★
天晴!見事な手さばき。
おパンツごとおズボンを下ろされて、遥か彼方に放り投げられてしまった。
うううっ、下半身の防御力0になってしまった。
「ヴァイス…リッター……」
困惑したクレイの声が響いた。
困惑しているのは、俺の方なんだけど〜
「なぜ……ボーボー陰毛なのですか……」
………………えっ。
年頃になると、手入れする人もいるらしいけど〜
俺の下半身は、未開拓の密林。
だけど、人にわざわざ見せる所でもないし〜
それにそのっ、ボーボーと言ってもおパンツの中に収まる程度だからねっ!
焦燥に駆られる俺を前に、クレイは至極真っ当な真面目顔だ。
「ヴァイスリッターはなぜ、陰毛を生やしていらっしゃるのですか」
「えっと……第二次性徴で生えてきたから〜」
「そんな事分かっています!」
「うっ」
だって、なぜって聞いたから。
「童貞は陰毛を生やしてはいけません」
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