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第33話

 パイロットスーツのジッパーを首まで上げた。ヘルメットを被る。 『ライト様、操縦席にお座り下さい』  360度全モニターの視界は、空中に椅子が浮かんでいるかの錯覚を受ける。 『そう、深く腰掛けて。追手が来る前に安全圏まで脱出しましょう。あらかじめプログラミングしておきましたので、自動操縦となっております。細かな修正は遠隔操作で俺が行います。重力加速度で振り落とされないよう、ご注意下さい』  座席は姿勢に合うようにフィットしている。よし、これなら行けそうだ。 『準備が整いましたら、出撃の合図を』  頷いた。 『ヴァイスリッター』  ここは戦場。  自由を取り戻す戦いが始まる。 「ライト・クロヴィウス。ブレイヴ・デュナメス出るぞ!」

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