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第47話

 地響きが叫ぶ。  暗い天井に(こだま)する。牙を突き立て、爪を刺す。  虚空が崩れていく。  崩れて、そこは虚空になる。  そこはもう、地面がない……  さっきまで立っていた床が崩壊し、闇の底へと落ちる。  足をすくわれた《パワーズ》の群れと共に。飛行機能のない機体は落ちるしかない。  フフフ……  雪崩落ちる崩落に紛れて、優雅な微笑みが生まれた。 『お約束しましたでしょう』  微笑みは咲く。 『あなたには指一本、触れさせません』 「どういう事?」 『予備ブラスターは時限発火装置です。時間差で爆発する事はご説明しましたね』 「うん」 『《リヒトヴォルケ》で地下道は脆くなっている。そこへブラスターが爆発したらどうなるか』 「あっ」  フフフ 『そうですよ』 「クレイはこれを狙って」  全機を地下へ落とす。  そうすれば俺を襲うものはいなくなる。  ブラスターを撃った時から……うぅん、地下道に下りたあの時から。  最初から計画していた。  あなたには指一本触れさせない。  約束した。 『騎士の誓いは絶対です』  約束を守るために……

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