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第3話
初めて兄に抱かれたのは、オメガだということがわかり、カプセルを埋め込まれた2日後だった。
まだ10歳だった。
それまでも兄に執着されてはいた。
だけど、それは兄弟の域ではギリギリあったし、歳の離れた兄はアルファだったから、小学生になる頃にはもう全寮制の学校に行っていて、顔を合わせることがそれほどなかった。
兄が帰ってくるのは数ヶ月に1度くらいだったし、不適切な身体接触もなかった。
兄が自分を見つめる目には愛を感じたし、とにかく優しく可愛がってくれる兄が好きだった。
ベータの家庭に生まれたアルファ。
アルファとなった時から兄が家を支配した。
両親は兄に絶対だった。
兄もそれを当然のこととした。
アルファは13で大人とみなされる。
教育などの必要はあるが、大人であり、この社会の支配者となる。
10歳年上の兄が、自分や両親と違うモノであることはわかっていた。
兄の言うことには従わなければならないことも。
でも兄は大きくて優しい存在で、少し怖がりながらも憧れていた。
でも。
10歳でオメガであることがわかる。
そこで兄が豹変した。
それまで兄はなかなか番をつくろうとしなかった。
普通は特別校にいる間に、そこに通うオメガと番になる。
だけど、兄は特別校のオメガ達に見向きもしなかった。
20歳になっても番がいないのはアルファにしては珍しいことだった。
だが、弟がオメガであることを知ったら直ぐに家に戻ってきた。
オメガだと知って、ショックをうけて閉じこもっている弟の部屋に入ってきた。
そして。
兄は喜んで弟を犯したのだ。
「もう遠ざける必要はない。お前が俺のオメガだ」と言って。
ベットに押し倒されて悲鳴をあげた。
大人のアルファの身体はあまりにも大きくて。
服は紙のように破かれた。
アルファはオメガの意志を重んじる。
それも本能だ。
発情したオメガを襲うことはあるが、フェロモンに当てられない限り、アルファはオメガを基本的には襲わない。
それも本能なのだ。
たまに本能がこわれた危険なアルファもいるが、そういうアルファはアルファが排除する。
オメガを奪われてはならないからだ。
ただ、本能が壊れていなくても。
オメガの意志を無視することが出来ることはある。
それは。
オメガと血の繋りがあること。
親兄弟である場合のみ、アルファはオメガをオメガとしてその本能が認識しないのだ。
だから、親兄弟がヒートを起こしても、襲わないですむ。
これも、また、アルファの本能なのだ。
兄はそれを逆手にとった。
兄にとって弟は無理やりでも意志を無視して抱けるオメガなのだ。
弟に関しては、本能は弟を抱くのを止めさせない。
本来はアルファが近親相姦を防ぐために、親兄弟をオメガと見なさない本能が、兄の凌辱を許していた。
服を破かれ、押さえつけられ、兄にのしかかられた。
助けて
助けて
幼いショウは叫んだ。
両親はやって来て、でも兄に命じられた。
「邪魔するな」と。
そして。
両親はショウを置いて出ていった。
家から。
ショウをそこにのこしたまま。
兄は性別検査でオメガだと分かっても、まだ何にも知らなかったショウに、オメガの身体とは何なのかを無理矢理教えたのだった。
怪我をしないようにと、両手を縛られて。
「今日からショウが俺のオメガだ」
兄は断言した。
だから抱くのだと。
他のアルファは許さないと。
細い脚を押し広げられ、つらぬくところから始まったのだ。
「可愛いショウ・・・俺だけのショウ・・・」
兄の言葉が遠く聞こえた。
自分でさわったこともなかった場所を乱暴に貫かれ、ショウは悲鳴をあげた。
だけどショウはオメガだった。
ショウの本能も兄をアルファとして受け入れはしなかったが、オメガとしての身体は機能した。
兄の巨大なペニスをショウの小さな身体は受け入れたのだ。
ベータの子供なら死んでしまうようなソレを。
そして、オメガの身体は淫らだった。
それに感じた。
最初から。
「ショウ・・・」
兄が呻く。
いつも冷静な兄の姿はそこになかった。
ショウは悲鳴と、恐怖と、そしてそれだけだはない何かが溢れてきて叫び続けた。
支配だった。
侵入だった。
強制だった。
「嫌ァ!!嫌!!!!」
ショウは叫びながら、初めてイった。
腹の奥を貫かれて。
小さな身体は何度も痙攣していた。
「ショウ・・・嫌がることは許さない」
兄は言った。
幼い弟を犯しながら。
「誰にも渡さない」
そう言いもした。
ショウが貫かれることを、喜ぶことであると飲み込むまで、ショウは犯され続けたのだった。
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