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第6話
兄の仕事は数ヶ月になるとわかった。
アルファはアルファ同士の競争の中に生きている。
競争は全てに優先される。
ショウが番なら、手元に置けるが、ショウは番ではない。
連れ歩いて、どこかのアルファに見初められる位なら、ベータ達の学校に閉じ込めて置く方が安心なので、兄は仕方なくショウを置いて海外に行っている。
毎晩電話をかけてきて、声だけでショウをイカせてはいるが、それ以上は流石に無理で。
ショウは久々の自由を満喫していた。
学校の先生も咥えこんでいるので、授業をサボっても大丈夫。
まだ若い担任はショウのためならなんでもしてくれる。
もちろんアルファに逆らう気概はない。
両親ですら逆らえないのだから仕方ない。
ショウは沢山遊ぶつもりだった。
兄の秘書はショウの味方だ。
ショウのため、というよりも、兄のためにショウに協力してくれている。
兄がショウに狂って壊れてしまったなら困る人達が沢山いるのだ。
兄の競争は沢山の人間の人生にも関わっている。
番にできないからこそ、兄はショウに狂っている。
冷静な判断もできない。
これ以上壊れてもらったら困るのだ、と言われた。
それに、アルファが弟のオメガを犯していることは、アルファの世界にバレてはならないことなのだ。
この事情は秘書と両親しかしらない。
じゃあ協力してよ、とショウは笑った。
なので、兄がいつ帰るかは分かる。
もう、家にいつ兄が帰ってきてるかに怯えることはない。
ショウは生き生きしていた。
ショウは20歳まではホルモンをコントロールするカプセルのお陰で、発情からは守られる。
20歳になったらカプセルを取り除かれ、番がいない以上発情を抑制剤でコントロールしなければならないから、そこからは兄に閉じ込められるだけだと分かっていた。
発情し、フェロモンを放つ可能性のあるショウを兄が外に出すわけがない。
番でもないオメガを自分のモノのように閉じ込めることは、アルファが絶対に容認しないことだ。
番に出来ないオメガを所有することは許されない。
オメガは貴重なのだから。
兄は何かしら家に閉じ込める理由を作るだろう。
ショウの趣味の絵をもっと本格的にするように言ってるのもそのためだろう。
アトリエで制作していることにして、ショウを家に閉じ込めてしまいたいのだ。
逆らえないだろう。
逃げることはとうに諦めた。
オメガでさえも、死にかけるような目に何度も合わされたなら考えも変わる。
兄はショウが少しでも逆らうことを許さなかった。
そう、オメガに愛されたいという本能は、ショウを兄弟故にオメガと認識しない本能に邪魔されて、兄はショウを支配することができたのだ。
普通のアルファオメガの関係は、ショウと兄にはありえない。
許して
言うこと聞くから
許して
ショウは兄に酷く犯されながら何度も叫んだのだ。
誰にも助けてもらえない家で。
兄はショウのペニスをしつけたように、ショウも躾ようとした。
だが。
ショウはベータで遊ぶことだけは止める気が無かった。
それだけは隠し通した。
それだけが、ショウに出来る復讐でもあった。
とにかく、ショウに出来ることは、遊べる内に遊んでおくことだけだった。
この機会を逃すつもりはなく、そして、新しいおもちゃが欲しかった。
ショウとセックスするために、他の男に犯される子飼いのベータ達にも飽き始めていた。
後ろを犯されるのにすっかり慣れて、むしろソッチのが良いんじゃない?
とショウは思ってた。
ショウに夢中にはなるが、ショウを殺してでも兄から奪おうとは思えないベータ達。
兄に会ったことがあるから、誰も兄には逆らえない。
アルファはその圧だけで支配する。
兄はショウの周りにいるものに一通り会って圧を与えてる。
兄がショウをそういう意味で溺愛しているとは誰も知らないが知ってたら、ショウに手を出す者はいなかっぢろう。
だが、知らなくても、それでもショウとセックスする根性があるだけマシだとショウは思ってた。
そして。
新しいおもちゃを探してて、ショウはソイツと出会ったのだ。
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