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第9話

キタノは同じ高校の先輩で。 とにかくデカいのでベータの学校では目立ってた。 190を超えていたかもしれない。 ショウの兄より少し大きい位だ。 だけど、その体格で絵ばかり描いてた。 ショウが初めて存在を確認した時もグラウンドの隅でスケッチをしていた。 デカい人間は見ないようにしてるくらい嫌いなのに、絵を描いてるから見えてしまったのだ。 ショウも絵を描く 遊び以外で好きな唯一のこと。 だからそもそも興味を持ったのは何を描いてるかの方だった。 キタノは動く選手達を手早くいくつもいくつも描いていた。 ショウは無遠慮に覗きこんで、その「動き」に感心した。 線は動きそのものだったからだ。 そして、こんなにあからさまに背後から覗きこんでも、全く動じない集中力にもびっくりした。 アルファは生まれながらにして優秀だが、こういう美術等の才能だけは、アルファだからあるとは限らない。 だからこそ、ショウは絵が好きで自分も描いていたし、兄に命じられたからではあっても美大を目指していた。 アルファがアルファだからと偉そうに出来ない世界に居たかったからだ。 このベータのスケッチをショウは気に入った。 だが、誰もが見つめられるだけで顔を赤らめるショウの視線をその後一時間以上も受け止めて何ともなかったキタノも気になった。 キタノはショウの綺麗な顔が顔の近くにあっても全く気にしなかったのだ。 キタノについてそこから調べだした。 人当たりはいいし、人気もあるが、誰ともつるまないそういう男だと知る。 去年卒業した同じ美術部の先輩とは仲良くしてたそうだけど、先輩が卒業してからは特定の誰かと仲良くしないし、学校以外で会おうとはしない その先輩の呼び出しがあれは直ぐにでも駆けつけるためだ、と言われていた。 先輩に惚れてんだよな。 まあ、あの先輩なら。 わかる。 男でもアレは、なぁ。 卒業して他県の大学に行ってしまった先輩は男で、ベータなのだという。 とても綺麗なベータだと。 オメガみたい、という言葉は密やかに囁かれていた。 そう言うことをベータに言うのは、アルファの所有物であるオメガに対して失礼かも、というのがベータ達のにはあるのだ。 へぇ。 ショウはそこでさらにキタノに興味を持った。 オメガみたいなベータに惚れてる、アルファみたいなベータ。 面白いじゃないか。 ベータなんかで代わりをしてもらわなくても、ここにオメガがいるじゃないか。 ベータがオメガに狂うのを見るのはショウにとって最高の娯楽だった。 キタノもそうしたかった。 そして、キタノのことを考えながら、今日も授業を抜け出して、準備室で手懐けた教師におもちゃのカイを犯させていた。 教師は最初は男に興味はなかった。 オメガのショウに狂っただけだった。 オメガが男と違うのは、女ともちがうのは抱けばわかる。 裸を前にしたらわかる。 男性とも女性とも違う。 もっといやらしい何か。 そして、抱けばもっとわかる。 そして、ベータはオメガの言いなりになる。 男を抱けと言われたら、オメガの目の前で男を抱く。 オメガの指や口でしてもらう為だけに。 その乳首を味あわせてもらうためだけに。 そんな感じで教師はショウの言いなりに自分の生徒とセックスするようになったが、今では多分、男でも普通にイけるになったのは間違いない。 言われるがままに犯されているカイが、もう男に後ろで犯されて立て続けにイケるようになっているのと同じで。 もう途中でショウが手を貸してやらなくても、二人は二人で十分楽しめるようになってた。 教師が声をあげながら、カイを突き上げる。 教師はもうショウを見ていない。 カイでちゃんと楽しめている。 「愛してるから何でもする」という言葉が嘘になる瞬間だ。 これはもう好きでやってるだけだ。 こういう時がショウは好き。 バカな教師が今では生徒を人に言われて犯すのが楽しいだけ。 カイの穴を舐めほぐすのは、もうお楽しみだろうし、中をガツガツと貪るのはたまらないのに違ない。 初めの頃の逡巡や嫌悪は今ではどこへやら 「愛」なんてクソ、と。 楽しくショウは思う。 でも、カイだけはショウを見つめるのを止めない。 何度も何度も、後ろを穿たれて、前から迸らせながらも、ずっとショウを見つめてる。 ・・・それはそれで優越感があっていい。 ショウは二人を眺めて笑う。 面白い。 面白すぎる。 あのキタノってヤツもここに混ぜたい。 アルファみたいなあの身体を言いなりにさせるのはきっと楽しい。 そう思った。 カイをアルファみたいなベータに犯させるのは楽しいかも、とも。 アルファのようなキタノに組み敷かれながらも、自分だけを見つめるカイを思うとかなり気分が良かった。 今日の教師は酷くカイを責めてるが、キタノはもっと酷くカイを犯してくれるだろう。 その思いつきにショウは夢中になった。 綺麗なベータに恋してる、アルファみたいなベータを言いなりにしてしまう こんな面白そうなことはなかった。

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