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第13話

ショウは前程、ベータを集めたパーティを開かなくなった。 それよりかはキタノの隣りで絵を描いていたかったのだ。 美術部に入部した。 美大に行かせて、画家ということにして、いずれは軟禁したい兄にも言い訳が立つ。 キタノの隣りで絵を描くのは。 とても良かった。 たとえキタノが誰を思って絵を描いているのかが分かったとしても。 キタノは絵だけでなく、装置のような表現もしていて、光や音で創り出させるそれの制作作業をショウも手伝ったりした。 楽しかった。 10歳より前の、子どもでいられた頃を思い出した。 兄が帰ってきて、何日も貪られ、犯され続けた後には、やはりパーティは開いた。 兄はいつだってショウを屈服させたから。 兄の声だけで、従い、兄だけのために作られた道具かのように扱われる。 救われるためにパーティは必要だった。 いつも通り、カイを犯させ、カイが自分を見つめるのを楽しみ、沢山に犯されたカイをその身体で受け入れた。 どんなに犯されても、イかされても、ショウを見つめるその目が好きなだった。 そして、どんなになっても、ショウが許せばショウに必死で腕を伸ばす。 そんなカイを抱きしめてやった。 そして可愛がった。 ちゃんとショウの中に挿れてやった。 カイは叫び、泣きじゃくり、誰よりもショウを求めたから、とても可愛いかった。 オメガに「抱かれる」ベータのどれだけ可愛いことか。 でも、前より明らかにパーティは減った。 カイは絵を描き、キタノの手伝いをするショウを黙って見つめてた。 セックスしている時と変わらない目。 その目の感情は熱量以上のものはわからない。 ショウを欲しがる強さは兄よりも強いのかもしれない。 そんなカイを怖がる部員もいたので、他の人達には分からない場所から見ろ、とショウは命令した。 カイは絶対に逆らわなかった。 だけど、絶対にショウを見つめるのもやめなかった。 当然だ。 あれほど酷く犯されていてもショウを見つめることを止めない男なのだ。 「キモイ」 「怖い」 そういう声も聞こえたが、そこはショウには気にならなかった。 たまに部室にまでいるカイに意外とキタノは優しかった。 本当に優しい男なのだ。 カイはショウの言うことは何でも聞くのだから。 カイとショウは暗く結びついている。 それはそれで必要なものだった。 可愛い可愛いカイ。 ショウのために全部めちゃくちゃにしてくれて。 カイが虐められているのを知ってても、ショウはそこは気にしない。 全てはショウに捧げられているのだから。 でも。 だからこそ本当にカイが可愛いと思っていた。 でも。 「青がいい」 キタノが描いてる絵を見て言ってくれる。 そんな普通の日々は。 眩しすぎるほどで。 自分に興味すらない、自分の描く絵には多少興味はあっても、自分にはほとんど無い、そんな男の隣りで感じるのは切なさと。 安らぎだった。 だからこそ。 キタノが本当に欲しかった。

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