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第20話

ショウはそこそこのアルファを手に入れた。 キタノに少し似ているのが決め手だったが、アルファはアルファで、まあ、優秀だがバカだった。 兄もそうだったが、アルファはアルファ同士のゲームに夢中で、そこでの勝ち負けばかりが人生だ。 くだらない。 だが、ショウには愛されたがる。 競争に生きる生き物にはオメガだけが、心の安らぎで、オメガしかいないのだ。 なんて愚かな。 でも、ショウは可哀想な番をそれでも可愛いと思った。 兄と同じアルファとするセックスは悪くなかった。 むしろ良かった。 キタノだと思えば、ものすごく良かった。 たまらなかった。 夢中になってセックスをした。 感じる以上に欲しかった。 ベータで遊ぶ気はもうしなかった。 あんなのただの憂さ晴らしだ。 幸せな日々だった。 たまにキタノのことを考えて少し泣いたけど、でも、前より遥かに幸せだった。 犬を飼った。 本当の家族よりよっぽど大切になった。 そう。 カイ。 おもちゃのことは忘れてた。 あんなにお気に入りのおもちゃだったのに。 ショウは働く気はないので、家で趣味の絵を描いて過ごしてた。 好きな時は外に遊びにいける。 もうああいうパーティはしないが、ベータを取り巻きにはしてる。 番はヤキモチは焼くが、兄とは違って支配はしない。 ショウに嫌われたくないのだ。 アルファとは憐れな生き物。 兄も、ショウに憎まれていただけのことを知って、ショックを受けていた。 笑える。 生活に不満はないので、あんなパーティはもうしない。 変に拗らせて、兄のようになられても困るし。 ショウはアルファを信用はしてない。 だが幸せだった。 本当に幸せだった。 支配されないことがこんなに幸せなのかと。 そして。 でも。 そうなった。 その日、楽しく取り巻き達を連れて、健全に遊んだ後家に帰ってきた。 番は出張だ。 アルファは何かと忙しい。 今日はキタノのことを考えてオナニーでもしようと思った。 番のアルファとしてる時もキタノのことを考えているけど、さすがに名前は呼べないから。 キタノに愛してると叫びながらするオナニーは最高だ。 そんなことを考えて部屋を開けたなら、ベッドの上にカイが座っていた。 当たり前のように カイ。 お気に入りのおもちゃ。 何故ここに?どうやって? 聞くまでもない。 カイはストーカーなのだ。 ショウはわらった 面白かった。

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