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第3話
「行ってらっしゃい」
家族を送り出したらまた家のことを片付けていく。
何も考えられないように一心不乱に励むけどだからこそあっという間に終わっちゃってやることなくなっちゃって…自分の時間をもて余す
仕事…したいな…彼に話すけど仕事はしなくていいよの一点張りで…
そっか…趣味に勤しもう…って見つけようとしても何も見つからなくてダラダラと時だけが過ぎてたまにママ友さんたちにランチに誘われて出掛けたりもするけど…自分から誘ったりするのって結構勇気がいるからなかなか自分からは誘えなくて…
前はこんなんじゃなかった気がするけど…過去のことはなかなか思い出すのが難しい。
君のことなら…今でも…鮮明に思い出せるのにな…
ねぇ?どうしてる?
君は覚えていますか?
初めて会った日のこと…
あれからもう随分と時がたった
あの頃の面影なんて一欠片もない僕に君は気付かないだろう
幸せだよ?多分僕はとても幸せ…君はどうかな?
幸せであって欲しいな。ずっとずっと大切な人
君のこと思ってたら電話がなってびっくりして飛び上がる。このベルが君からならいいのに…なんて思ってみたりもするけれどそんなわけなくて。
「ひまー」
って声が電話の向こうから聞こえてきたら楽しいのになぁなんて思ったりもして…まぁ…そんなことは絶対にないんだけどね。だって結婚を期にあの頃のもの全部全部捨ててきたから…
「もしもし」
電話の向こうはいつも誘ってくれるママ友さんだった。
『やっほー何してた?私休みになったから一緒にランチいこ!』
明るくて美人でお家はお金持ちなとこのお嬢様であるえっちゃん。今はお家の仕事を手伝ってて会社を大きくした立役者の一人。
すっごく優しくて別け隔てなく接してくれる大好きなこっちに越してきて唯一友人と呼んでくれる人だ
「うん。行きたい」
『オッケ!なら迎えに行くねぇ』
電話を切って支度をして…服を着ちゃえば上手に隠れてくれる僕の残念な体型だから彼女はいつも会うたびスタイルいいねぇって言ってくれる。背が高めな彼女より一応僕の方が背もあるからそう見えるのかもしれない
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