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第10話
それからえっちゃんがあの後何があったのか話してくれた。
そこできみさんは僕の旦那と関係を持った話しをしたらしい。その理由は旦那が僕が浮気してるから慰めて欲しいって言ってきたからってことだった。
僕が相当遊んでいて男が他に何人もいてすごく最低な奴で。でも子供のことを考えると離婚したいけどできないって涙ながらに話したらしい。
それを不憫に思って嫌だったけど付き合ってあげていたということだった
きみさんの言ってることが本当なのか夫の言ってることが本当なのか…真実はわからないけれど体の関係をもったということは変えようもない事実。
けどそれに対して僕は何も感じなかった。
僕に関してのことは全て出鱈目だし…
えっちゃんは平気で笑いながらそんなことを事細かく言えるきみさんに恐怖すら覚えたらしい
きみさんがえっちゃんと仲良くするのはえっちゃんが色々な力を持ってるから。自分を利用しているってこともよくわかったと話してくれた。
僕が帰って、きみさんを送った後たまたま別のお友達から連絡が入ったみたいだ。
『えっちゃん。なんでその人と仲良くしてるの?』
って内容。よくわからないからなんのことだと聞いたらたまたま同じ店に同じ時間でその人がいたみたいで僕のことを大声で言ってたことも聞いてたらしい。そしてその人の旦那さんもきみさんと体の関係があったみたいで…それにきみさんはその人にはえっちゃんのことをすごく悪く言ってるらしい。
その子がえっちゃんと繋がっていることにきみさんは気付いていないのだ。同じ店にその人がいたことも旦那さんときみさんの秘密も。
「なんか…自分が情けなくてね…どうしてそんなことに気付かなかったんだろうって…ごめん…私が引き合わせたばかりにこんなことになってしまって…」
「ううん。大丈夫。ありがと…話してくれて」
「で…しーくん」
「ん?」
「これからどうするの?」
「これから?何も変わらないよ。僕は旦那から別れてって言われない限りはずっと一緒にいる。多分きみさんとはもう終わってるっぽいし…それに旦那に救われたのは事実だし。あの人から逃げるために利用したっていえば…聞こえ悪いけど…けどそれでもいいからって側にいて支えてくれたのは旦那だよ。そんな優しい旦那から今更離れられないと思う。気持ちはないとしても…」
気持ちがないことはえっちゃんには前に話したことがあった。ともくんのことも…
「ねぇ。一緒にいたのって…?」
「うん」
「連絡取り合ってたの?」
「ううん。連絡先とか彼に関わることはこっちに越す前に全て捨てたんだ。だから何も知らなくて…信じてもらえるかわかんないけどたまたま偶然に駅で出会しちゃって…でもすぐに分かれたんだよ?駅で会って立ち話をしただけ」
僕はこれから先この大切な友人に嘘を付くことになるんだ…
「その人と一緒にいた方が幸せなんじゃないの?」
「ううん。僕の一番は子どもたちだから…」
これは本音だけど…きっと僕は…俺は…禁断の果実に手を伸ばす…自分の欲のためだけに…
「きみちゃんの言ってることはすべてデタラメだってみんなが言ってるし私もそう思う。悪い子ではないはずだから何かしてあげたいとは思ってたけど…あんだけ聞くと…ね…実はその人以外からも連絡が鳴り止まなくて…ほとんどの人が旦那関係だけじゃなくても散々な目にあってしまってるみたい…私自分で言うのも何だけど人を見る目はあるって思ってた…こんなにも近くで裏切られるなんて…やっぱりショックだわ…」
…きっと…これからそれは僕にも向けられてしまう感情になる…けれど…
…ごめんね…えっちゃん…
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