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第15話
風呂からあがるとともくんはゆっくりゆっくり俺を甘やかすように触れてくれた。
夫とは全然違う。好きな人に触れられることがこんなにあったかいものなんだって思うと何故だか涙が溢れた
「きつい?痛い?」
「ううん…凄く…幸せ…」
「俺も…幸せ…絶対に叶わないって思ってたんだ…こうやって生身のしーさんに…やべ…俺も涙出てきた…」
ぽたりと涙を零し目を伏せるともくんの頬に触れ微笑む
「幸せすぎて怖いって…こういうことなのかな…ねぇ…しーさん…俺さ…早く…一つになりたい…けど…その前に話しておきたいことがあるんだ…もしかすると聞いたら…俺のこと嫌になってしまうかもしれない…こんなことしたあとに何なんだって…けど…あの頃…しーさんを受け入れることが出来なかった理由がそこにはあるから…そこから…始めたい…」
覚悟を決めたともくんを見つめこくりと頷く。するとともくんが意を決したように俺を見つめ返してゆっくりと言葉を紡ぎ出す。
ともくんの話にはとても驚いた…と同時にあの頃そんなに悩み苦しんでいることを俺は何も気付かないで…いたなんて…一緒に考えたかった…背負ってあげたかった…
…あの頃の俺がその話を聞いてたら?
うん…きっとその時の俺だってそのことを受け入れそれごとともくんを愛したと思う。だって本当に愛していたんだ…
そういうとともくんは悔しそうに…けど幸せそうに微笑んでくれた
「それでも…俺はともくんがいい…ともくん。俺はもうあの頃と状況は違うよ?他の人と家庭を持ってる。だから…周りは絶対に認めてはくれないし誰にも秘密の関係…それでも…俺と一緒に…歩いてくれる?…それでも…俺と一緒に十字架を背負ってくれる?」
「…しーさんはすごく苦しむことになるかもしれない…けど…俺は…どんな形でも…もう離れたくないよ…しーさん…俺と…進んでくれる?」
「うん…ともくんとなら…一緒に…進みたい…進ませて…俺ももう…ともくんと離れたくないよ…」
そう言うとともくんはふわりと笑い俺の髪に触れた。
「一緒に…溺れよっか?」
「うん…ともくん…」
愛してる…そう呟こうとした俺の言葉はともくんの口の中に吸い込まれてった
「…俺に言わせて?しーさん…しおりさん…愛しています…誰よりも君を…」
「俺も…今も昔も…ずっとずっと…ともくんのことだけを愛してるんだ…」
何度も唇を合わせ舌を絡ませ合いながらベッドへ沈んでいく。深い深い海の底へ沈むみたいに…こうして俺たちは踏み出した。誰にも受け入れられることはない…進んではいけない道へ
初恋は叶わないってあの時思ってた…けれど…今こうしてやっと…一つになろうとしてる…幸せでどうしようもない…
これが間違った道ってことぐらい誰だってわかる…けれど…俺たちは…
ともくんのそれがゆっくりと俺の中を満たしていく。
「しーさん…中っ…すごっ…」
ともくんが感慨深く呟いた
「だって…俺…ともくんのこと…ずっと…待っ…っ…もう…全部?」
「ううん。もうちょい…我慢できる?」
思った以上に長大なそれはまだ全て俺の中に埋まっていない。だけどともくんのってだけで既に絶頂を迎えそうだ。それを必死で耐えぎゅっとともくんを抱きしめキスをした
「うん…」
「きつかったら我慢せずに言ってね」
長大なそれを受け入れるのはたしかに辛い。けれどそれよりもともくんが欲しくてたまらないんだ…
「あっ…」
一番奥まで突き当たった瞬間出さずに達してた。こんなことあまりないので自分も驚いてる。
「中でいっちゃった?」
「ごめ…」
「クスッ…いいんだよ。すごく嬉しい…どうする?抜く?」
「やだ…動いて…ともくん俺で良くなって…」
「…っ…ゆっくり優しくしようって思ってたのに…明日は1日動けないよ?いい?」
「うん…いいっ…」
それから沢山求められ気付けば明け方だ。それでも離れたくなくてずっとしがみついていた
「しーさんっ…もう…俺も…無理かも…」
「…いやっ…もっと…」
「わかった。泣かないの。ね?このまま少し休も?俺もこうしてたい…離れたくない…だから…」
「うん…」
繋がったままの状態で抱きしめてくれる。その温もりに誘われてすっと意識を飛ばした
「…大好き…しーさん…離したくない…誰よりも…何よりも大切なんだ…」
ともくんの切なくも甘い呟きは俺には届かなかった。
目が醒めた時もうともくんとは繋がっていなくて姿も見えなくて…子供みたいに泣いた。
やっぱり…違うのかな?俺じゃだめだった?顔を枕に埋めて声がもれないように必死になってると肩を叩かれた
「しーさん!何?どした?なんで泣いてんの?えっ!?ねぇ…大丈夫」
「ともくん…いたっ…」
「痛い?ごめん!俺が盛りすぎたから!ごめんね」
あわあわしながら俺を抱き締めてたくさんナデナデしてくれる
「ちが…」
「血!?えっ!!うそっ!ごめん!!」
「違うよぉ…」
「え?」
「どこも痛くないし血も出てない…けど…起きたときともくんいなくて怖くなった…やっぱり…やってみたら…違ったのかな?って…」
「えぇ!!そんなこと思ってたの?侵害だなぁ…」
「だって…俺が沢山おねだりしたから…疲れてるのに沢山っ…だから…」
「ふーっ…」
ともくんの深いため息に息が止まりそうになる。
ともくんの顔が見られなくて両手で顔を覆った
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