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第19話
上の子は小さい頃から寝起きが悪い。毎朝結構頑張って起こさないと起きてくれない
「悠衣!ゆーい!おはよぉ。朝練の時間大丈夫?」
「んん…ダイジョブ…」
「こぉら!悠衣起きなって」
「しーくんがちゅうしてくれたら起きる」
「んもう!何甘えてんの?」
悠衣の顔は俺似だ。とはいえ俺みたいに筋肉がないわけでもなくなんだかんだモテるみたい。
背も高いしそれなりに勉強もできるしバスケットボールをさせればすっごくかっこいい自慢の息子だ。
ベッドサイドへ行くと悠衣は長い手で俺をベッドに引き込んだ
「…ぬくぬく…しーくん…でも親父とまたいちゃついてたやな感じするぅ…なんで…あいつがいいのぉ?浮気した男だよぉ」
「んなっ…ちょ…」
「ふむふむ…ねぇ。また痩せたんじゃなぁい?」
そう言いながら悠衣はそっと俺の服に手を入れ脇腹をくすぐった
「相変わらずここ弱いねぇ」
「いい加減起きてよぉ…」
困るのだ…本当に…そこは感じやすいから…まさか息子に触れられて…反応する訳にはいかないでしょ?それもこれもみんな夫とともくんが色々してくれたせいだな…
「悠衣。ゆーいちゃん。ママの可愛いゆいちゃん。起きますよぉ」
「…っ!!もう!それやめてよ!!」
「早く起きないからですぅ。ほら。起きた起きた」
悠衣は子供扱いされるのが好きじゃないからそれが一番効果的な起こし方だ。
こんなやり取りも愛おしい時間なのだ。
「しーくーん!俺行くよぉ」
今度はリビングから下の子の声がする
「はぁい!今行く。悠衣。つぐちゃんもう行くってよぉ。早く準備しといで」
そう言って悠衣を撫でると見送りに急いだ
「悠衣まただらだらしてんのぉ?誰に似たんだかねぇ」
「ほんとだよねぇ。けど、つぐは落ち着きすぎね。でもそこが素敵だよね」
「俺しーくん煩わせたくないしねぇ。愛してるよぉしーくん」
「僕もだよ。今日も気をつけて行ってらっしゃい」
「今日は委員会あるから遅くなるよ」
「了解です」
下の子の繋 は今生徒会役員をしてる。勉強が大好きで大体図書館に居座ってたりする。俺の両親のことが大好きで毎日やり取りしてるし泊まりに行ったりもよくする。繋と悠衣は正反対だけどすごく仲のいい兄弟だ。
「ふわぁ…つぐぅ。いってらぁ」
「はいよぉ。あ!悠衣。」
「ん?」
「今日もあいつ待ってるっていってたよ。たまには一緒にすごしてやれよな!じゃ」
「おー。じゃねぇ」
悠衣はいま繋の学校の子といい感じらしい。何度かあったこともあるけどすごく感じのいい子だ。
「なになに?まだお付き合い始めてないのぉ?」
「ん…なんだかんだ忙しいから付き合ったとしても構ってあげられないしねぇ。そうなったら悪いじゃん?」
「ふーん。そんなもんかぁ」
「そんなもんよ。いっただきまぁす」
そうして悠衣も朝の支度をして出かけた。
これが俺たちのいつもの日常だ。平穏で幸せそのものだと思うだろう。
俺が不倫してるなんて…きっと想像もできないだろうな…
罪悪感がないわけではない…けど止められない思いなのだ。
「ごめんね…みんな…」
愛しているんだ。この家族を…それなのに…
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