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第28話
「しー…彼氏とは…連絡とれてる?」
「うん。取ってるよ」
「そろそろ会いたいよね?」
「そうだね。けどともくん忙しいし…」
「今週末出掛けないか?泊まりで俺と」
「いいけど…どうしたの?急に」
「いや…あの日からしーが元気ないから…気晴らしでもって思って」
「ありがと…」
夫にキスすると嬉しそうに微笑んでくれた
俺が元気がないように見えたのは子どもたちとのこと秘密にしてるから。バレたらどうしようという不安とスリルを楽しむ俺…
本当にどうかしてる…ねぇ…ともくんは気付くかな?俺の変化に…
繋に旅行の話をすると笑顔で行ってらっしゃいって言ってくれた。けど悠衣は何だか複雑そうな顔をしてた
「悠衣?どうした?何かあったのか?」
「別に…ただ…しーくんをよろしくね。しーくんモテるから旅行先で声かけられちゃうかもよ?」
「そうだな。気を付けるよ。…なぁ悠衣」
「何?」
「…いや…」
「はっきり言ってくれない?」
「お前さ…しーのこと…」
「しーくんは俺にとって理想の人だよ。誰よりも大切だし特別。でも大人としては最低だよね」
「まだ…許せないか?」
「さぁね。わかんない」
「何何?深刻な話?悠衣はもうすぐ家でちゃうから寂しいんだよねぇ?拗ねてるの。ね?そうだよねぇ?」
繋が誤魔化してくれるかのように悠衣に言葉を投げかけた。
「…あ…うん。そう。そんな感じ」
「そっか。んじゃ今のうちにたーっぷりしーに甘えとけ」
「…そうする。俺ちょっと出掛けてくるね。」
「えっ?これから?」
「うん。コンビニついでに矢夜のとこ行ってくる」
「矢夜くんとこ?親御さん大丈夫なの?こんな時間に」
「あぁ。あいつ一人ぐらしになってるし」
「そうなの?」
「うん。あれ?話してなかったっけ?年末に親父さんの急な転勤で。もうすぐ卒業だしってことで矢夜だけこっちに残ったんだよ」
「そうだったの?矢夜くんご飯とかは平気なの?」
「あぁ。あいつ元々何でもできるから。勉強以外はね」
矢夜くんは悠衣のバスケットのチームメートですごく元気が良くて明るいし気の利く子って印象だ。うちにも遊びに来てくれたことは何度もある
背の高い悠衣よりも高くてすごくスタイルが良くて普段とバスケをしているときのギャップが凄くてファンがとても多い。
「これ。持ってく?」
夕飯の残りをタッパーに詰めて渡すとすんなり受け取ってくれた。
「矢夜も喜ぶよ。しーくんの飯食いたがってたから。じゃあ。、いってくるね」
「気をつけてよ」
「うん」
悠衣を見送ってリビングに戻ると繋が片付けを始めてくれてた
「繋。ありがと。変わるね」
「いいよ。ゆっくりしてて」
「…じゃあお言葉に甘えて」
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