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第42話
そうして穏やかな毎日を過ごす。
ともくんからあれから連絡はぱったりとなくなって悠衣からもなくて旦那からもなくて…
でも寂しくなんてなかった。ちょうどそのタイミングで仕事も忙しくなって帰宅も遅くなって…
今日は成功に終わったプロジェクトの打ち上げがある。独身時代は参加してたけど夫に出会ってからは一度も参加したことがなくて今日もお断りしたかったんだけど…繫に言われて参加することにした
お酒も進んでみんな盛り上がっているのを見ながら次のプロジェクトに向けて熱い会話が繰り広げられていた。
みんな本当に真面目で仕事好きで教わることも多くて…仕事にも人にも恵まれたな…なんて思ってた。
そろそろお開きだ。帰る前に用をたそうと席を立つと足元が覚束なかった。
そんなにお酒に弱い方ではないけど久しぶりだったので体がびっくりしたようだ。上司がそんな俺を心配してくれたけど大丈夫だって伝えてお手洗いへ向かった
終わって戻ろうとしたら誰かとぶつかってしまった
「すいません!」
「ふらついてるけど大丈夫?」
「はい。大丈夫です…あの…手…」
男は俺の手首を掴んで離してくれない
「…しおりくんでしょ?」
「え?」
「覚えてない?俺のこと…」
「ごめんなさい…あの…」
本当にわからない。俺より少し年上っぽい…スーツもカッコよく着こなしてて大人な色気があって…
「俺たち…メル友だったんだよ」
「え?」
「…相変わらずキレイだね」
そう言うと男は俺を個室へ押し込んだ
「あの…えっと…」
そうされたのは初めての出来事でどうすることもできない
強く掴まれたで首がすごく痛くて藻掻いても外れなくて…そのまま男の顔が近づいてきて唇を奪われた。
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