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第45話
その夜。つぐと一緒に風呂に入っていつもみたいに交わり裸で抱き合ってた。
「ねぇ。しーくん」
「ん?」
「…ともさんは?」
「わからない…連絡取ってないから」
「そう…」
「つぐ…つぐも早く素敵な人見つけてね?悠衣には矢夜くんが付いてるしあの人にも素敵な人ができた。だからさ」
「…しーくん…俺と一緒に…こない?」
「…ごめん。それはできない…」
「…しーくん…離したくないよ…」
そう言うとつぐはもう一度俺を組み敷いた
「…しーくん…愛してるんだ…」
「んあっ!!」
ぐぐっと一気に俺の中に入るとゆっくり動き始めた。つぐの必死な表情に愛おしさはあるけれどこれはつぐのとは違う感情で…もう誰も巻き込みたくない…散々抱かれといて…抱いてくれと懇願しておいて今更なんなんだと思うけど…だけど…やっぱり幸せになって欲しいから
「つぐっ…あっ!」
つぐが今度は俺を上に乗せ動き始めた。それに答えるように俺も腰を振りたくる
その時ドアが開いた。そして衝撃が走った
「しー!!お前っ!!実の子供に何してるんだ!!ふざけるな」
床に飛ばされたのだ
床に転がる俺に跨り俺の首をくぐっと締め上げる夫。なぜここに?帰らないはずだったのに…
「親父!!違う!!俺が!」
つぐが夫を俺から引き剥がし羽交い締めにした
「しー!!許さない!!許さねぇぞ!!今すぐ出ていけ!!」
初めて夫に殴られた…驚きすぎて動けない…
何とかつぐを振り解いた夫は俺を持ち上げて運び出す。一歩出遅れたつぐが焦って追いかけてくれるけど間に合わず無常にも玄関の扉はしまっていった
裸のまま放り出された俺はその場から動けない。
「二度とうちの敷居をまたぐな!!」
もう一度扉が開くと仕事用の鞄と靴を寄越してくれて服もくれた。
それは夫の優しさだったかもしれない…
あぁ…終わったな…変に笑いが込み上げて落ちた衣服をゆっくりと身に着けやっとの思いで歩き出した
あてもなく歩き出したけどこんな時間じゃ人も通ってないし勿論公共機関だって終わっちゃってる。
どうしようかな…と考えているとスマホが着信を知らせた
「もしもし」
「しーくん!久しぶり!」
相手は悠衣だった
「ゆい…」
「しーくん?なんか元気ない?」
「へへっ。大丈夫。久しぶりにお酒飲んだから少し酔っちゃってるだけだよ」
「そうなの?」
「うん」
それから近くの公園に入って暫く悠衣と話してそっと電話を切った…
「…俺への罰だ…」
その日は冷たい公園のベンチで休んだ
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