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第56話
メグside
繋くんに翻弄されいつの間にか意識を手放していた。目覚めたらびっくりするくらいきれいな顔が眼の前にあって息を呑んだ。
やっぱりどことなくしーちゃんの面影はある。けど男味があってすごく…なんだかすごく甘えたくなるような…大きな人
「おはようございます。メグさん。よく眠れました?」
そういえば頭が久しぶりにスッキリしてる。ともと一緒に暮らしてから気が気じゃなくて熟睡してなかったのかもしれない
「眠れた…ありがとう。繋くん」
そう素直に言うときれいな笑顔で微笑んでくれて俺を抱きしめ髪を撫でてくれた
その胸に顔を寄せるとふっと優しく笑った声が聞こえた
「キスします?」
「いいよ」
キスしながら少しイチャイチャした
「なんか…若い頃の甘酸っぱい感じ思い出した」
「それは良かった。昨日より顔色も良さそうで安心しました」
「ところでさ。そろそろ離す気ない?照れくさいんだけど」
「初夜のあとの恋人みたいな顔してますね」
「またそんなこと…」
「メグさん面白いから」
「おっさんをからかうな」
「からかってないけど?可愛い人を可愛いって言って何が悪いの?」
「またそういうこというんだから…さて…本当に離して。朝食用意しなきゃ」
「手伝いますよ。」
「うん。ありがと。着替えて顔洗ったらきて」
「はい」
手をひらひらと振って部屋から出て自室へ向かうとヘナヘナと座り込む
「あの子の色気…なんなの…びっくりしたぁ…そういうとこしーちゃん譲り?」
悶々としながら身支度を終えて朝食の準備に取り掛かる。すぐに繋くんがやってきて俺を後ろから抱きしめ頬にキスしてきた
「おまたせ」
「待ってないし」
「俺何したらいい?」
「冷蔵庫から牛乳出してくれない?」
「はぁい」
冷蔵庫に向かう気配を感じてほっと息を吐いた。
「ほんと…心臓に悪い…」
あんなにとものことが大好きだったのに繋くんに一晩でこんなにドキドキさせられるなんて…
「ガキ相手に…」
ブツブツ独り言を言っていたら声をかけられた
「メグさん。牛乳ないよ」
「買い忘れてた?しまったぁ…」
「俺行ってくるよ」
「店わかる?」
「大丈夫。この辺に友達住んでるから」
「そ。じゃあこれ。お金。よろしくね」
「行ってきます」
「行ってらっしゃい」
「あ。忘れてた」
そう言うと一旦扉に手をかけたのに戻ってきた繋くんは俺を抱き寄せたあとキスしてきた
「ちょ…」
「じゃ行ってくるね」
にやりと悪そうな笑みを浮かべ外に出た
「…なんなの…ほんとに…」
ほんのちょっとのキスなのに俺の中心部は甘く反応していた。ふーっと深く息を吐いてなんとかそれを沈める
それから少ししてともの部屋の扉が開いた。平静を装って二人を出迎えた
「あ。おはよぉ。起きたぁ?」
「メグさん。おはようございます」
二人はしっかり手を絡ませて一緒に出てきた。しーちゃんの色気がダダ漏れで相当愛されたのが見ていてわかった。ともも心なしか顔色がいい気もする。
「お風呂沸かしておいたからゆっくり入っといで。出勤までまだ時間平気でしょ?ってか…行ける?顔色悪いよ」
顔色が悪いのもだけどどこか危うい感じがした。しーちゃんは無意識に男を虜にしてしまう。恋敵である俺でさえこの子を抱きたいって…食べたいって今まさに手を伸ばしたくなっているのだから
「今日は昼までだからいってくる。大切な打ち合わせなんだ」
本当に大丈夫なのかな?打ち合わせに居合わせた人に何もされないかな?
そんなふうに思う自分が不思議だった。ともと一緒にいるのを見ても心は傷まなかったから
「そう。送ってくよ。とも。いいでしょ?」
「あぁ…頼む」
「うん。じゃご飯準備しておくから行っといで」
二人をバスルームに見送った直後繋くんが帰宅した
それを玄関まで行って迎える
「おかえり」
「ただいま」
ニコリと笑って俺を抱き寄せた。
「何か…」
「何?」
「…新妻みたい!俺の嫁ーっ!」
「っ!!またそんなこと言うんだから!」
「だってメグさんが可愛いから」
「っ!!当たり前でしょ!」
照れ隠しにそう言うと繋くんがそっと口付けてくれてキッチンまで手を繋いで戻り一緒に朝食の準備をした
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