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第62話

「ただいま」 って挨拶が正解かわからないけど声をかける。 「しーさん!おかえり」 思ったよりも落ち着いた様子でともくんが迎えてくれた。その後ろには繋もいて 「しーくん。おかえり。大丈夫だった?」 「うん。大丈夫だよ。ともくんも大丈夫?」 「ん…大丈夫」 そう言うとともくんは俺を抱きしめた。 「おかえり」 「うん。ただいま。ご飯は食べた?」 「まだだよ。準備は出来てる。メグさんが作っててくれたから」 繋に促されリビングへ向かった すごいなぁ…メグさん…テーブルの上に並んでいるメニューを見て感心してしまった。しっかりバランスを考えられた色とりどりのメニューとともくん用の特別なメニュー。 ともくんだけじゃなくともくんを苦しめている俺やその息子である繋のことまで考えられる懐の深さになんだか自分がとてもちっぽけに思えた それから片付けをしてまた部屋に籠もりともくんに蹂躙されながら悦んでいた 繋side メグさんとしーくんを見送ってともさんと二人の時間を過ごす。ともさんは部屋の中をそわそわと動き回る。 「ともさん」 声をかけるとこちらに視線を向けた 「ともさん」 「ごめんなさい…ごめん…」 「ともさん」 本当に壊れてしまったのかな?俺にはそうは見えない ともさんが襲われてメグさんが身代わりになった経緯は勿論調べ上げた。 しーくんとともさんが会うずっと前から知り合いだった女にやられたらしい。 その女はその場で逮捕され連れてかれたそうだ。 「ともさん。お茶淹れるから付き合ってくれない?」 無言で頷いたともさんが椅子にかける 「ともさん。しーくんを見つけてくれてありがとう」 「え?」 俺の言葉が予想外だったのかとても驚いた表情をしている。 窶れたとはいえやはり整った顔立ちをしていて妙にドキドキしてしまう。この甘い顔が表情豊かにしーくんと会話していたのならしーくんが惹かれてしまうのも無理はない。それなのにどうして親父を選んだのか…親父に出会う前からきっと二人は惹かれ合ってたのに随分と遠回りをしてしまったんだ。互いに優しすぎたんだと今ならわかる… 「俺はあんたを恨んだことなんてないんだ」 「君の大切な親御さんと関係したのに?」 「あなたと出会ってからしーくんはすごく綺麗になった。元々綺麗だったけどね。それに幸せそうにしていることも増えた」

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