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第66話

繋side 「そうこうしているうちにしーくんの不倫が発覚した。わかってすぐ親父はしーくんの目を盗んでしーくんのスマホの中身を見た。悔しかったんだろうね。自分に従順で言い返すことも疑うこともしなかったしーくんがまさか外に相手を作るなんて思ってもいなかったんだろうから。まぁ見たところでしーくんはしっかりしてるから写真とか動画とかともさんの顔が写っているものは全て別のところに保管していたからすぐに顔は分からなかったみたいなんだけど。あいつが思ってたよりも厳重に管理できていたしーくんの能力を見てそれにもまた腹がたったのと、しーくんがそこまでする相手がどんなやつなのか気になって仕方がなかったあいつはしーくんがともさんに会いに行く日一旦会社に行くふりをして尾行することにしたんだ。そして相手の顔を見た。そこには美しく微笑む焦がれてやまなかったあなたがいた…」 「そんな…」 「あいつは相手がともさんだとわかった途端に目の色を変えた。どうやってともさんを自分のものにしようかと考えた。そしてあの日がやってきた。そこであいつはいつかともさんを抱く日のために多くの人間と交わり取得した色んなことを活用してともさんを翻弄していった。実際二人きりで誘われたことあるでしょ?」 「…ある」 「けどともさんはあいつの思いどおりにならなかった。あいつは思い通りになる相手が好きだ。だから間にしーくんを挟んでいることが一番やりやすかった。だってともさんはしーくんには従うでしょ?そのしーくんはあいつに逆らわないから」 それが真実だ。あいつは本当にどうしようもないクズ…そして人から同情を買うのが得意でそれで今の仕事の地位まで上り詰めたのだ。 「でも最近ではともさんと会う頻度が減ったからイライラしててそんなとき出会ったのが今の相手。」 「今の相手って?」 「今あいつには付き合っている男がいる。その男と一緒になるためしーくんとは離婚を考えている」

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