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第67話

繋side 今回の出張は本当だ。クズだけど仕事だけは真面目にやっているから立ち上げのときはあいつが選ばれることも多いのだ。 そのお陰で俺たちは生きていけたのだからそこは嫌だけど感謝しないとならないと思っている。 本当に忙しくて週末は帰ってくるほどの体力はないからお気に入りのそういう店を見つけてそこに入り浸っていてそこでキャストをしていた男が今の相手だ。 元々その男は昼は親父と同じ会社で働いている。だから仕事ぶりも知っていた 「旦那さんに…恋人…」 「そう…っていうのはこっちの作戦でね」 「え?」 「今の相手は俺が用意した別れさせ屋。しーくんの昔の知り合いに協力してもらってる。ただ一つ誤算が生じちゃって…相手が本気で親父に惚れちゃったんだよね。思い切り捨ててもらって後悔させようって計画は台無しになっちゃった。けど一番の目的であるしーくんを開放するというのはちょっと色々あったけど…達成できそう。そこでね、お願いがある。俺は春には家を出る。受験に万が一失敗してもそれは変わらない。あいつは俺を自分の側に置きたがってるけど俺が無理だから。俺がいなくなってあいつとも別れて一人になったらしーくんを狙っている輩が大勢押し寄せてくる。しーくんは押しに弱いからしっかり繋ぎ止めておいてくれないとどうなっちゃうかわからない。しーくん自分の評価低過ぎて気づかないからさ。狙われてることに。だから…しーくんを本気で愛してるならもう一度しっかりともさんに手綱を握っていてもらいたい。その役割は俺の中で何人か候補いたけどともさんが一番だと思うから…しーくんが本気で愛した唯一の人だから…けど…今のともさんに両手放しで任せられない。だから他にも詳細は伏せても協力はお願いしてる。しーくん相変わらず人気者だからみんな喜んで頷いてくれた。あわゆくばって考えてる人大勢いるよ。だからいい加減目を覚ましてくんない?本当にしーくんを愛しているのなら。他に掻っ攫われたくなければ早く復活してよ。ね?」 ともさんは複雑な表情をしながら顔を伏せ少し考えると顔を上げた 「俺のしーさんへの思いは他の誰よりも強いし重いと思う。本当に愛した人は後にも先にもしーさん以外はない。俺がしーさんを裏切ることはない。だから…早く本来の自分を取り戻す…」 「そうでなくちゃ困るよ。あとはしーくんだけが悪くならないよう俺はこれから色々と動く。だからしーくんをマイナスにはしない」 「君は…」 「相手を落とすには色々と逃れられないものを用意しなきゃね。まぁもう殆ど揃ってるけど」 「しーさんの息子さんとは思えないくらい悪い顔してるね」 「ははっ!なんとでも言って。しーくんのためならなんだってやるよ。俺の何よりも大切な人だから」

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