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第74話

悠衣side 必死で声を掛けてくれて俺の唇を奪う。矢夜がそうしてくれたおかげで呼吸が少しずつ整ってきた 「悠衣…大丈夫?」 「はぁ…はぁ…ごめん…取り乱して…ごめんね」 「…悠衣…なぁ…」 「うん。わかってる。ちゃんと幸せ願うから。ねっ?そんな顔しないで。矢夜。きれいな顔が台無しだよ!」 「悠衣。俺の話聞いてくれる?」 痛いけど聞かなくちゃ…必死で涙をこらえて向き合う 「うん。聞くよ」   「あのね。俺ね…えっと…」   どんな人なのかな?きっとすごい人なんだろうなぁ…なかなか言葉のでてこない矢夜を見つめる。 「あぁ!!もう!!あのさ!!俺回りくどいこと出来ないから言っちゃうけど今すっげぇ感動してる」 「へ?」 矢夜は昔から突拍子もない事を言うやつだから俺はいつもそれを噛み砕いて砕いてやっとの思いで理解することだって少なくはなかったけど今回も本当に意味がわからない 「悠衣さ、もしかして俺のせいでそうなったの?そんな呼吸もできないくらい動揺したの!?それってさ俺のことを好きってことじゃん!!やったー!!俺の粘り勝ちじゃん!!」  「ちょっ…何言ってるか…わかんないし…」 「だって今すっごく真っ赤!可愛い!!」 「うるっさい!!矢夜!からかってないで話せよ!」 「これ!受け取って欲しい!!」 そう言って渡されたのは小さな箱。 「何これ。開けていい?」 「うん!!」 中にはリングが入ってた 「これって…」 最近矢夜がつけ始めた薬指のリングと同じもの 女よけに付け始めたんだって話してくれたんだけど…その辺からなんだか落ち着かなくなった。 確かに端正な顔立ちの矢夜はファンの子が出待ちするくらいたくさんいて中には一歩間違うと法に触れそうな女の子までいた。一人にしておくと大変だからだいたいいつも俺が側にいたんだけど… 「悠衣。俺はただのトモダチじゃ嫌だ。結婚して」 「は?何を突然」 「えぇ!!さっきいったじゃん!この関係終わりにしたいって。ずっとずっと好きな人がいるって」 「言ってたけども!は?」 「あぁ!交際0日はあんまり?じゃあ…好きです!結婚を前提に俺と付き合って下さい!」 「いやいや!!だから!説明をしろ!!」

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