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第76話

「ただいま」 「しーちゃん。おかえり。大丈夫だったの?」 「うん…あのね…メグさん」 「ん?」 「…俺のこと話していい?」 「いいよ」 メグさんが家に連れて帰ってくれた日。あの場所にいた経緯を話した。悠衣や繋との関係は流石に伝えることはないけど…それと今日夫と話してきたことも 「…本当に…最低だね。しーちゃん。離婚って言われても仕方がない」 「うん…自分でもそう思う…」 「でもね…俺…これ言おうか悩んだんだけどさ…実は旦那さんのこと知ってたんだ…俺がともと一緒にいた時偶然出会して…そのあと…仕事終わって一人で帰ってたら声かけられて」 「…そうなんだ」 「そう…あんなにともに好かれてるだけじゃなくってしーちゃんもとものとこ好きなのにどうしてこの人と別れたくないんだろう?ってそれだけいい男なのかなぁって思って意地悪してやろうって思ったんだ。だから馬鹿なふりしてついてった。一緒にご飯食べてその後ホテルに行った。そこで結構飲ませて色々聞いたの。なんで綺麗な奥さんがいるのに誘ったの?って…そしたらね、同情を引きたいのか相当しーちゃんのこと悪く言ってて…俺はともからしーちゃんのこと聞いてたからともから見るしーちゃんと旦那さんが言うしーちゃんが同じとは思えなかった。あーこの人はしーちゃんをいいように利用してるだけなんだなぁって。飲ませて潰してそのまま何もせず置いてきたよ。だからその後は会ってない。ねぇ。しーちゃん。本当にしーちゃんが言うような人間だったのかなぁその人」 「最初から駄目だったんだよね…俺は好きな人がいたのにその人を選んでしまったから…始めにその話もした上でそれでもいいと言ってくれたあの人に甘えてしまって…それが始まりだから…何も…言えなくて…」 「ばかだなぁ…しーちゃん。けどその人がいてくれたから息子くんたちに出会えたんだよね?だってしーちゃんが不倫したのってともが始めでその時にはもう二人はいたわけだし。その後どうだろうが…まぁ…感謝してるよ」 「え?」 「俺ね、ずっと、とものこと好きだったじゃん?」 「うん…」 「だけどね、繫くんがここにきてくれてさ、繋くんが話を聞いてくれたおかげで今はすごく気が楽なの。それにしーちゃんはともの言った通りの人だった。しーちゃんのこと大好きになれた。だから…ずっと仲良くしていたい」 「いいの?」 「うん。俺がもっとしーちゃんと友だちになりたい」 「っ!!ありがとぉ…」 「しーちゃん!!泣かないでよぉ」 メグさんは困ったように笑うと頭を撫でてくれた。 「しーちゃん。大好きだよ。繫くんと出会わせてくれてありがとうね」

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