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第81話
将来メグさんがお嫁さんに来てくれたら…
「ふふっ…楽しいだろうなぁ」
繋の隣りにいるのがメグさんっていうのを想像してたら楽しくなってきた。だけど…
「…でも…」
俺のことを愛してると言ってくれている繋…俺のことをあんなに情熱的に抱いている繋があの表情でメグさんを抱くというのが何とも複雑だった…メグさんにも申し訳ない気もするし…だけど…親である俺とのことが異常だったんだとわかるから…繋が幸せになる道を選んでくれたらと思う。本当に自分勝手だな…
「ただいま!」
色々考えてたらともくんが帰宅した
「おかえり」
「しーさん!」
ともくんは俺を抱きしめるとポンポンと頭を撫でてくれた
「また何か考えてた?難しい顔してるね」
そういうと額と額を合わせてグリグリしてきた
「…そんなに酷い?」
「ううん。可愛い。だけど…辛そう」
「…」
メグさんの気持ちを俺から話すわけにはいかないのでともくんを抱きしめ返して胸に顔を埋めた
「…繋くんとメグは?」
「一緒にお風呂入ってる」
「そうなの?いつの間にかそんなに仲良くなってたんだね」
ともくんは知らないようだ
「話してみて何かあったの?」
「…うん…あの人のこと…前から知ってたんだってね」
「あぁ。仕事の途中で街で遭遇したことがあって。その時に話したんだ」
「そっか…」
その他のことは知らないのかな?それとも知ってて知らないふりしてる?
「しーさん?…」
「ううん、何でもない。ねぇ。ともくん。もしね、もし…繋とメグさんが…特別な関係になったらどうする?」
「メグと?…ん〜…そうだなぁ…複雑…だけど…嬉しいかな」
「嬉しい?」
「繋くんすごくいい子だし安心してメグを任せられる…」
「…大切な人…だもんね」
「そうだね。メグには何度も助けられているから…メグがいなきゃ俺はおそらくあの人から逃れられなかった…今があるのはメグのお陰だよ」
そう話すともくんはどこか遠くを眩しそうに思い出している気がした
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