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リスオはキングの首にかぷっと歯を立てる。小さな赤い歯形が出来た。キングはそこを長い指でなぞった。その仕草がセクシーで、ドキドキと胸の高鳴りが増す。
「上等だ。やる気は充分、ってことだな」
キングはニヤリと笑った。リスオはその表情を見て、早まったか、とも思ったが後の祭りだ。彼は手際よくリスオの服を脱がせ、一糸纏わぬ姿にさせる。同様に、自分もさっさと裸になった。
リスオは小柄だが、スタイルの良い身体をしている。薄く筋肉のついた胸。細い腰回り。すんなりとした白い脚。そしてふさふさのしっぽが伸びる丸い臀部。下腹部にたるみはなく、髪と同じ茶色の和毛{にこげ}が生えている。その中央に、上を向いた薄紅色の肉茎が、ふるふると頼りなく揺れていた。
「綺麗だな……。同じ男とは思えない」
キングはうっとりと溜息をついた。視線を感じて、リスオは羞恥に身を震わせる。
「そんなにじろじろ見るな。早くヤれ……っ」
「急かすなよ」
くつくつ笑うキングの方こそ、目を見張る程の肉体美だ。引き締まった胴に、硬そうな太股。胸は筋肉で盛り上がり、腹部は六つに割れている。肩はごつごつしていて、腕は見事な力こぶの曲線を描く。尻は脇がへこんでいた。臍から舌も同様に余計な贅はついておらず、金色の陰毛が茂っていた。そこから、注目せずにはいられないほど、大きくて太い男根が伸びている。陰嚢も重そうに揺れていた。
赤黒いそれは、全体にトゲが生えていた。陰茎棘と呼ばれるもので、名前は怖そうだが、大して痛くはない。むしろ、とても気持ちよいらしい。半獣人社会では、この性器の所有者は珍しくない。
キングのトゲトゲした屹立は、亀頭が張り出し、幹に血管が浮き、それはそれは凶悪だ。天を仰ぎながら、先走りの汁をたらたら流している。
(で、でかい……! 年下なのに、おれよりずっと大きい)
(それに、あのトゲトゲ……! 初めて見た)
リスオはごくりと唾を飲んだ。勃起したトゲトゲ肉棒の迫力はすごい。キングは、あれで百回達しないと、発情が治まらないのだという。
(おれ、もしかして大変なことを受け入れてしまったんじゃ……?)
さすがのリスオも、今度ばかりは後悔せずにはいられない。
「早くヤれ、か……。俺、リスオのそういう肝が据わったところ、好きだぜ」
「うるさい……っ、んっ」
荒々しいキスが再開される。舌を抜かれそうな勢いで吸われて、びくびく下腹部が跳ねた。キングはリスオの脚を割って入り、腰を密着させた。ぬるん、と濡れた二人の男根を一纏めにして握る。
「あっ、だめ……」
リスオはびくっと反応した。暖かい掌で包まれただけで、甘美な痺れが全身を駆け巡る。
「大丈夫。一緒にイったら終わりにするから」
「えっ……おれも?」
「当たり前だろう。一人でイくなんて寂しいからな」
ちゅっとリップ音を立てる。キングは濃厚な接吻の傍ら、とうに張り詰めた双方の屹立を、ゆっくり扱き始めた。ぬちゃ、ぬちゃ……とどちらのものか分からない淫靡な水の響きが鼓膜を震わせる。
(どうしよう、めちゃくちゃ恥ずかしい……!)
リスオはたまらずぎゅっと目を瞑った。顔だけではなく、皮膚全体が熱く、リス耳まで震えている。
「聞こえるか……? 濡れてるぞ」
「いやっ……」
「リスオのここ、つるつるして、可愛いな。俺のと大違いだ。感じてるのか……? どんどん蜜が溢れてくる」
「んっ……、言わない、で……っ、ふ、んんっ」
リスオは薄目を開け、ゆるゆると首を振った。初めて興奮した楔を他人に見られ、愛撫されている今の状況が、恥ずかしくてたまらないのだ。
キングは、リスオの滑らかな亀頭をいやらしい手つきでなで回す。鈴口を爪で引っ掻き、くびれをこすり、茎を上下に愛撫する。
リスオは初めての悦楽に身もだえた。さらに、すぐ側にあるキングのトゲトゲが、膨張した皮膚をちくちく刺激し、言葉に出来ない快感が沸き起こる。
「んっ、っ……ん、ふぁっ」
「……っ。お前の声、すごくいい……。腰にクる。聞いてるだけで、出そうになる……」
「変な、こと……言う、な……ばか……っ、ふ、はぁ……ひ、ぃっ」
「リスオ……可愛い……」
「んっ」
二人は深く口づけ合う。キングが双方の楔を一緒に扱きだした。長い指が筒になり、甘美な刺激を送る。触れ続ける先走りの液が、幹をぐっしょりと濡らしていく。ぐちょ、ぐちょ、と卑猥な音がした。薔薇の香りに青い匂いが混ざっていく。
(どうしよう、すごく気持ちがいい……っ。すぐイっちゃいそう……っ)
リスオは堪らずキングの広い背に抱きついた。ぞわぞわと快感が駆け抜けていく。
一方、彼も息を乱し、頬を紅潮させていた。眉根を寄せ、唇を薄く開き、切なげに目を潤ませている。紫の瞳がリスオを欲して燃えていた。お互い絶頂が近い。
(どうしよう、おれ、初めてなのに、すごく感じてる……。しかも、年下のキングの前で……)
(恥ずかしい……けど、もう、我慢できない……っ)
「だめ……っ、ん、ふっ……んぁ……っ、キング……もう、おれ……っ」
「俺も限界だ……。一緒にイこう。リスオのイキ顔……見たい」
キングがリスオの唇を奪う。情熱的なキスだった。
「んもう……ばかぁ……ンン、んっ……は、ふぁ……あ、あ……あああぁぁっ――……!」
一際激しく擦りあげられて、リスオはとうとう達した。今まで経験したことのない愉悦が押し寄せ、頭で火花が散る。つま先を反らせながら、初めて他人の手による絶頂を味わった。
「……く……っ」
キングも、余裕のなさそうな表情で、精を吐き出した。大量の白濁がリスオの腹を焼く。びゅる、びゅる……とキングのトゲトゲ男根は、何度かに分けて果てた。
「はあ、はあ……」
二人の荒い呼吸が響いた。
「リスオ、ありがとう。すごく可愛かった……」
「ん……キング……」
(ああ、おれ、本当にキングとエッチなことしちゃったんだ……)
(恥ずかしかったけど、めちゃくちゃ気持ち良かった……)
キングが優しく口づけてくる。それに応える余裕もなく、倦怠感が襲ってきた。
「悪い、疲れたよな。ほら、寝ろよ」
「ん……」
暖かな腕がリスオを包む。心地よい温もりに、目蓋が重くなった。
(キングに抱きしめられると、落ち着く。どうしてだろう? この気持ちは一体……?)
答えは出ないまま、リスオは安らぎの眠りに落ちていった。
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