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44(R18)
リスオが緊張しながら待っていると、キングは観念したような顔で、口を開く。珍しくうっすらと頬が染まっている。
「じゃあ、ちょっとだけ、いいか? 少し挿れるだけ……」
「うん……」
中途半端に煽られた状態でいる方が辛い。それに、とにかく今は、キングと心も体も結ばれたかった。
「傷に障らないようにするから……、一回だけだから……」
キングは徐々に息を荒くしながら、リスオの首筋に優しく歯を立てる。肌が快感で泡立った。
「ん、んっ……」
彼は口づけの傍ら、器用にリスオのパジャマを脱がしていく。あっという間にリスオは裸になった。同じように、キングも上半身の服を脱ぎ捨てる。彼は、まだ温もりの残る布団にリスオと共に移動した。
キングはまず仰向けになったリスオの股間に顔を埋め、熱烈に口淫を施す。彼はこの前戯が特に好きなようで、いつも飽きるまで舐め尽くすのだ。そのせいで、リスオも、この愛撫がないと物足りない身体になってしまった。柔らかい上下の唇に肉棒を挟まれ、亀頭が暖かな粘膜に包まれる。ぬぷぬぷと出し入れされると、得も言わぬ快感が湧き出して、すぐ酔いしれてしまった。
「っ、ふ、あ、あぁっ、アーッ……っ」
久しぶりの愉悦に、あっけなく白蜜を弾けさせる。
キングは、まだ息の整わないリスオを四つん這いにした。リスオは、ふさふさのしっぽをピンと伸ばし、羞恥に身を震わせる。
「や、待って……この体勢……っ」
「どうした、辛いのか? 仰向けだと、慣らす時きついと思ったんだが」
背後からリスオを気遣う低音が響く。
「そうじゃなくて……。恥ずかしいよ……」
「それだけか。じゃあいいな。照れるなんてかわいいやつ」
「や、良くない……っ」
「痛かったら言えよ。……気持ちよくても、教えてくれ」
むっちりとした尻が、キングによって左右に割られた。薄紅色に色づくそこを見て、キングはうっとりと溜息をつく。
「綺麗だな……。緩んでいる感じもしない。良かった、安心したよ……。ラインに書いていた通り、本気でアナル開通していたら、どうしようかと思った。どうやら、俺が初めての相手で間違いなさそうだな」
「や、ばか、言うな……んっ、んん……」
彼の長い舌が、皺を集めたリスオの恥部に、丹念な愛撫を始めた。とたん、びりびりとした愉悦が背筋を駆け抜け、果てたばかりのリスオの桃色の肉茎が、また漲{みなぎ}った。
(そんなとこ、誰にも触らせたことないのに……。キングに見られてる、舐められてる)
しかもそれが全く嫌ではない。むしろキングのような逞しく雄々しい男に求められて、喜びで胸がいっぱいになる。
「んっ、ん、あっ……あっ」
「声、可愛いな。もっと聞かせてくれ……」
キングは長い指と唾液を駆使して、まだ青い肉筒を丹念に柔らかくしていく。
(ダメ、中……気持ちいい。どうしよう、後ろをいじられるのは初めてなのに、感じてる……)
勝手に腰が動いてしまう。後ろのキングも興奮しているのか、汗に混じった彼の甘いフェロモンが濃く香る。
「尻が揺れてるな。まだ触っていなのに、もう前がぬるぬるだぞ……。気持ちいいのか?」
「いや、言わないでっ……ん、あっ」
「素直じゃないな。そういうとこ、めちゃくちゃかわいい」
くくく、と彼が笑う。尻たぶをべろりと舐められると、電気のような快感が走り、リスオの尻尾の毛が逆立った。
「あっ、あんっ」
「尻、たまらないな……。ふにふにして、柔らかい。マシュマロみたいだ。リスオの中も……すごくきつい。綺麗なピンク色だよ。これからここに入ると思うと、想像しただけでゾクゾクする」
「んっ、話さない、で……あ、あぅ……アッ!」
こりっ、とキングが蜜筒の奥に潜んでいた、小さな膨らみを押しつぶした。肉胡桃を指で挟まれ、くにゅくにゅと刺激されると、今まで感じたことのない愉悦に襲われる。
(なに、今の……)
「あぁっ……そこ、だめっ」
「前立腺だよ。感じるだろう? ここだけで一回イけるかな……」
「あ、むり……ふぁ、ああっ」
細腰が跳ね、脳内が白くぼやけてくる。
(だめ、もう我慢できない……っ)
「びくびくしてるな。ほら、イけよ」
「んっ、ふ……あ、アッ――……!」
一際強く肉胡桃を刺激されて、リスオはあっけなく弾けた。全身を焼くような愉悦が駆け巡り、膝が震える。リスオの紅茶色の瞳は、今まで感じたことのない悦楽に涙を溜めていた。
(後ろでイっちゃった。気持ち良かった、すごく……)
荒い呼吸を繰り返していると、キングが崩れそうになるリスオの腰を抱えた。そこにトゲトゲ男根の先端をぴたりとつける。
熱い感触にハッとして、リスオは振り向いた。そこにはいつの間にか服を脱ぎ捨て、一糸纏わぬ姿となった彼がいた。
キングは膝立ちになり、整った顔をうっすらと染め、赤い舌で唇を舐めている。スミレ色の瞳が欲望に濡れていた。その双眸と目が合うと、リスオはドキッと心臓を跳ねさせる。
「いくぞ……」
彼も緊張しているせいか、何度も掌を太股で拭っている。額に、たてがみを連想させる金の髪が貼り付いていた。
「う、うん」
リスオはごくりと息を呑む。
「痛かったら言うんだぞ。……一応止めるようにがんばる」
「分かった。でも、お願いだから……止めないで」
「……っ、そういう可愛いこと言うなって」
(とうとう一つになるんだ、おれたち。やっと、やっと……キングと愛し合える)
喜びと、未知への期待と、不安がない交ぜに鳴り、リスオの胸は高鳴っていた。そしてとうとう、ゆっくりと彼の剛直が入ってくる。肉筒を割って亀頭が押し込まれ、徐々に太い幹部分が敏感な蜜壁を征服していった。
(うっ……)
初めて経験する圧迫感と、異物感。しかし、彼が丁寧に慣らしてくれたお陰で、痛みはない。
「……っ、かなりきついんだな……。それに、めちゃくちゃ熱い……。リスオ、力を抜いて」
「んっ、ん……」
キングがあやすように背中を撫でる。汗の浮いたリスオの肌が震えていた。彼は粘膜が熱棒に馴染むのを待ってから、ゆっくりと抽挿を始める。突起に覆われた幹が、敏感な蜜壺を刺激しながら通り過ぎる。とたん、言葉にならない悦びが沸き起こり、身体が燃え上がった。
(嘘。だんだん気持ちよくなってきた……)
リスオは半目で、与えられる快楽に酔った。先程達したばかりだというのに、自身のものはすぐに力を取り戻し、愛液を垂らしている。ぱちゅ、ぱちゅといやらしい水音が結合部から鳴った。
「素質があるな。上手だぞ……なかが吸い付いてくる」
「ん、あっ、あっあぁ……っ、キングの、硬いぃ……」
「可愛いリスオ、俺の運命の人……。お前以上の相手は決して現れない。なあ、このまま番{つがい}契約を結んでいいか?」
キングが甘いテノールで囁いた。
(番契約……!)
リスオはハッと息を呑む。
番契約とは、身体を重ねている最中に、相手のうなじを噛むことで成立する、原始的な結婚契約だ。半獣人の世界では、婚姻届以上に重要視されている。ケモノの血同士で結ぶ取り決めのため、一度番えば、決して伴侶の交換は出来ない。
その究極の愛の誓いを、キングはしようとしている。
「どうか、いいと言ってくれ。俺にはお前だけなんだ……」
背後から抱きしめられて、リス耳を甘噛みされる。
(嫌なもんか。おれだって、キングの為なら人生を捧げても良い)
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