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第7話

「ど、どこに行くの?」 お兄さんは何も言わず、 僕の手を引いてずんずん歩いていった。 「君は僕の運命だ、今から僕の家に行こう」 「………っ、やだ!やだよ!僕は家に帰る!」 僕の言葉なんか聞こえてないみたいに、 お兄さんは僕の手を強く掴んで歩みを止めない。 「痛いよ、やめて、離して!」 「やっと見つけたんだ、僕の、僕だけのものだ」 助けて、お母さん、お父さん……… 僕の願いが通じたのか、 パート終わりのお母さんにバッタリ会った。

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