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第8話
「あなたっ………澪をどこに連れて行くつもり…」
「ハァハァ…澪くんってお名前なんですね。
名前まで可愛いなぁ。
澪くんは今日からぼくが預かりますので。」
「何を言っているの!澪は私達の子よ。澪を返して!」
お母さんは僕のことを取り返そうと、
必死でお兄さんの腕を掴んでいた。
「僕だったらあなた以上に澪くんの事を大事にできます。だから僕に……」
お兄さんが喋り終わらないうちに
お母さんは隙をついて僕の事を助けてくれた。
「澪行くよ、走って!」
わけもわからず泣きながら走った。
お母さんに引っ張られながら無我夢中で走った。
後ろを振り返るとお兄さんが笑みを浮かべていた。
「僕の澪……また会おうね。」
その言葉は僕には届いていなかった。
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