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A「タチふたりだけでビデオが撮れるわけないじゃないですか、バカなんですかアンタ」
「うんうん、そう言うと思ってね、この天才の僕は考えたんだ!」
B(嫌な予感…)
「君たちのどちらかがネコをやればいいんだYO!☆」
B「嫌ッスね」
A「無理です」
「オッケー☆さっそく息もバッチリだね!」
B「ムカつく」
A「節穴か?」
「栄治郎くんはオラオラ演技が上手くて、ビー助くんは甘えん坊わんこ系タチ演技が専売特許だからね〜!シナジー効果でイイ映像が撮れると思うよ☆」
B「急に褒められた!?」
A「バカ社長のくせに頭使いやがって」
「互いのモノを奪い合ってベッドの上で熱い闘いを繰り広げる男たちッ!う〜〜んアツイ!!」
B「言いたいことはなんとなく分かるけど」
A「分かりたくねぇ」
「これは社長命令だから!じゃ、どっちがネコやるのかふたりで話し合っておいてね〜〜☆」
ビュン!と音が鳴る勢いで部屋から退出するバカ社長。
悠々とタバコを吸い始めた栄治郎を、ビー助はギロリと睨む。
ふぅ、とタバコの煙を吐き出す栄治郎。
A「そういやおまえ、この前ちゃんとおウチに帰れたのかよ」
B「あぁ?(怒)」
背中の毛を逆立てて威嚇するビー助。
栄治郎は、吹き出して笑った。
「まさか、帰れなかったのか?あのまま路地裏で寝たのかよ(笑)」
「…それは……」
「図星か(笑)」
「酔っ払ってて!風がァ!気持ち良かったんだよ!!!」
「(笑)まぁ、今回のネコ役もおまえで決まりだな(笑)」
「ッッざけんなよ!誰がやるか!!」
「…ふうん?」
栄治郎は片眉を上げる。
急に身を乗り出して迫ってくる栄治郎。
…キスされる…!?
ビー助はぎょっとして、とっさに口元を庇った。
「…っはは!からかい甲斐のあるネコだな」
「っざけやがって!俺様の上からどけ!」
ソファの上で、迫ってきていた栄治郎を突き飛ばすビー助。
「おっと威勢がいいなァ(笑)このまえはニャンニャン鳴いて悦んでたくせに(笑)忘れたのか?」
「わ…忘れたぜそんなの!!俺は常に前を向いて生きる漢だッ」
A「(笑)…まぁ、ベッドの上で勝負といこうや」
B「お…おうよ!!俺様のテクでてめえをネコにしてヒィヒィ言わしてやらァ!!!」
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