6 / 13
日常生活-5
「なぁ知ってるか?橘先輩また隣の女子大の女を喰ったらしいぞ」
橘颯太。
桜燐館学院大学の学生会の会長で俺が好きな人。
「こんにちはー」
「由貴くん!やっと来たね」
俺がいつものようにサークルに顔を出すと、橘先輩が近づいてきた。
「ちょっ!?橘先輩!」
「先にいってるからね!」
橘先輩は、そう言うと俺から離れてコートに向かった。
ったくあの人といると、いくつ心臓があってもたりやしない。
「由貴くん。ストレッチしようか?」
「はい!」
橘先輩と俺はよく一緒にこうやって、ストレッチしたりしている。
でも、橘先輩は……。
「由貴くんの体柔らかいー!」
こんな風にセクハラみたいなことを言ってくるんだ。
しかも。
「橘先輩。重い」
「重くないでしょ?」
「全体重をかけられたら重い!」
「由貴くんちっちゃいもんね」
人が気にしていることを。
昔からそうだ。
俺は別に橘先輩にベタベタされるのが嫌いではない。
だから困るんだよなー。
先輩にとってはただのスキンシップだから。
そう。
特別な意味なんてないから。
ともだちにシェアしよう!