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第11話 強制自慰

 ようやく男の手が俺の股間から離れたときには、目から涙が零れ落ちていた。 「な、なんで……何で……俺はぁ……」  何でこんなに敏感なんだよ。何でこいつを殴ることもできないんだよ。理不尽な仕打ちと無力感に打ちひしがれる。 「旦那様よりも先に達したくなったことを恥じているんだね。でも、泣くことはないよ、イツキ。そんなことで君を嫌いになったりしない」  見当外れなことを言いながら、男は引き出しから太い円錐形のグラスのようなものを取り出した。 「僕は優しいからね。イツキがいい子にできるなら許してあげよう。ほら、ここに出してごらん」  ……は? 「早く体を起こして。四つん這いになるといい」  男がリモコンを操作すると、カタカタと音がして鎖が伸びてくる。トイレや風呂場もそうだったけど、この家は俺を監禁凌辱するための仕組みが色々と施されているようだった。  いつまでも動かない俺に痺れを切らしたのか、男は俺をうつ伏せにしてから強引に膝を曲げさせた。 「全く、手の掛かるプリンセスだ。夜の方は手を付けるなと命じたのは僕だから仕方がないけど。さぁ、自慰をしてごらん」  じい……自慰?!できるかよ!こんな状況で……。 「どうしたの?手伝わなくてもできるよね?」 「でっできるわけないだろ?!だって……こんっあああぁっ」  男の手が再び金玉を握り締める。 「僕は情けをかけてやってるんだよ、イツキ。本来なら僕の妃である君が1人で勝手に絶頂を迎えることなど許されないんだ。できないと言うなら、このまま二度と射精できないようにしてあげようか?」 「あああぁぁ……」  ただのハッタリだとは思えなかった。汗と涙が顔を伝い、痛みへの恐怖が心を支配する。 「ごめっ……なさっ……許して……やりますっ……だから……」

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