12 / 24

第12話 強制自慰

 男は俺の目の前に座り、たくさん並んだ枕に背中を埋めている。整った顔、美しく鍛えられた体、そそり勃つチンコ、それを見ながら俺はオナニーをさせられている。 「うっ……くっ……」  情けないことにもうイキそうだった。こんな状況で、しかも金玉を握り潰されかけたのに、萎えていないことが不思議だった。 「あっ……もう、もうだめっ……」 「さっき教えたことをちゃんと言いなさい、イツキ」 「ごっ……ごめんなさいっ……淫乱な私をっ……お許し……ください……」 「それから?」 「わっ、私の……淫乱な私の……た、達する……姿をっ……み、見ていてくださっ……い……」    右手の動きが止まらない。止められない。早く、早く返事をして。でなきゃ、俺、もう……。 「いっ……」 「いいよ、出しなさい。イツキ」 「あ……あぁ……いくっ……うっ……」  ビクンと腰が跳ねて、ブルッと体が震える。ドクドクと血が流れ出るような感覚とともに、俺は男の用意したグラスの中に射精した。 「おっと、こぼしちゃダメだよ」  崩れ落ちそうになった俺の体の下から男はグラスを抜き取った。跳ねたのかフチから白濁としたものが滴っており、男は舌を伸ばしてそれを舐め取る。  まさか全部飲むのかな。気持ちわりぃ……。  賢者モードに入りかけている俺はドン引きした気持ちでその様子を見ていた。しかし、男の取った行動はさらに想像を絶するものだった。 「これは、イツキが初めて僕の前で自慰をした記念」  そう言いながらベッド脇の引き出しからスポイトと小瓶を取り出し、俺の精液をその小瓶へと詰め始めたのだ。 「なっ……何してんだよ……」  男はキュッと小瓶の蓋を閉めると、残りの精液を飲み干してからうっとりとした顔を見せる。 「おいしい……。イツキにとって大切な瞬間は、僕にとっても大切だからね。記憶だけじゃなくて形にも残しておきたいんだ」

ともだちにシェアしよう!