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第16話 尿道責め
ベッドを下りた男が引き出しから取り出したのは、細い金属の棒だった。男が手にしている部分は輪になっており、棒の部分はまるでビーズが連なったかのようにポコポコとして、ほんの少しだけ先の方がカーブしている。それが蠟燭に照らされて怪しく光る。
「イツキはどうして声を我慢してたの?」
俺の隣に腰掛け、まるで見せつけるようにその棒を顔の前でフラフラと動かす。
「ねぇ、どうして?」
答えるつもりがないことを示すように、俺は唇を噛んで顔を横に向けた。
「反抗的だね。……でも、ここは素直だ。もうこんなに溢れてきている」
チンコを撫でられて体が少し反応してしまう。勃起してるのはわかってた。悔しくてしょうがないけど、こんなもん生理現象なんだからどうしようもない。乳首を舐められて感じたんじゃない……たぶん、媚薬のせいだと思う。
「まったく、僕を試しているのかな?でもね、二度目はないよ」
突然、頬を両側から掴まれてグイっと顔を正面へ向けさせられた。再び見せられる、金属の棒。
「奔放な体に蓋をしてあげよう、イツキ。……さぁ、君も見るといい。自分が何をされるのか」
男は顔を掴んだまま体を動かし、俺の腰の辺りに跨った。自然と俺の顔も下を向いてしまい、勃起した自分のチンコが目に入る。
……蓋って何だ?蓋って……。
カチャリ、と音がして、金属のトレーに棒が置かれる。持ち替えられたのは、忌々しい注射器。
まさか、また?そう思ったのも束の間、その先端は俺のチンコに当てられて――
「なっ……そ、そんなのっ……」
ゆっくりと液体が流れ込んでくる。感覚はほとんどなかったけど、男の手の動きがそれを表していた。
「滑りをよくするためだよ。大丈夫、ここにはたくさん入れないから」
嘘ではないようで男の手はすぐに止まり、再びその手には金属の棒が握られた。
「イツキはもう知っているもんね。我慢するのは気持ちのいいことなんだって」
……嫌だ。嫌だ嫌だ嫌だ。
奥歯がガチガチと音を立てて震え、額をダラダラと汗が伝う。男の行動は何もかも意味がわからないけど、この時、俺は、ようやくどこにどうやって蓋をされるのか理解していた。
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