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よくできました 20
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昨夜、アホみたいにセックスをした。
珀英の暴走が止まらなくて、嫌だと言ってもやめてもらえなかった。
誘ったのはオレだけど、何もあんなに犯りまくる必要もないと思う・・・必要だった・・・のか。
バスルームで一回やって射精したので勢いがついたのか、珀英はオレを抱え上げてベットに連れ込んだ。髪とか濡れているから嫌だったのに、珀英が異常に興奮しててそんなことを言っても、完全に無視されてしまった。
珀英はオレをベットに押し倒すと、そのまますぐに脚を広げて持ち上げてきて、容赦(ようしゃ)なく突っ込んできて、足も腰もガクガクと震えるまで犯してきた。
久しぶりだし、まあいっかって思ったせいでゴムをさせなかったから、何度も中で射精されて。
自分でローション入れて準備していたせいもあって、中が珀英の体液と混ざってぐっちゃぐっちゃになって。
後ろ向きにされた時に、中から溢れ出てきたのを見て、珀英が更に興奮して根元まで一気に突っ込まれた時は、目の前に星が飛んで気絶するかと思った。
珀英の発情期のサルを越える興奮状態が止められず、気絶することもさせてもらえず、珀英の勃起がおさまるまで、何度も、付き合わされた。
何度も何度も意識を失いかけて・・・引き戻された。
珀英のせいでおかしくなって、珀英のせいで引き戻されて。
もう理性も感情も、性欲も征服欲も、支配欲も全部全部、どうでもよくなるくらいに、溶かされて。
頭が、心が、くらくらして、蕩けておかしくなって。
何度も何十回もキスして、舌を吸われて噛まれて、充血してしまっているのが自分でわかった。
珀英の口唇を追い求めて、吸い付いて、舌を搦めて吸って噛み付いて、放さないのはオレの方なのに。
珀英はうっすら笑いながら、オレのしたいようにさせてくれていた。
舌が充血して、しすぎて、うっすら血の味がしても、キスがやめられなかった。
血が出るまで・・・血が出ても、口吻け、たかった。
本当にもう・・・久しぶりのセックスだったせいか、理性が完全に飛んで、セックス中毒みたいな感じになってしまった。
ロンドンにいる間は、できなかったんだからしょうがない。
珀英がいないから、珀英以外とはしたくないし、珀英にしか抱かれたくないから。
だから、珀英が言うような他の誰かを誘ってしようなんて、思わなかった。
珀英だって、オレ以外にうつつを抜かしたりしていないって、知っていたから。
だから、ちゃんと珀英のところに戻るまでは、誰ともしなかった。
珀英もオレにしか欲情しないってわかっていたから、何も心配してなかった。
それでも、珀英がオレにちゃんと欲情して、襲ってきたのは、嬉しかった。
何度も何十回も、好きだと愛してると嘯(うそぶ)いて、ちゃんと抱いてくれたことが。
ちゃんと、すごく、嬉しかった。
そんなこと噯気(おくび)にも出さないし、絶対に言わないけど。
ベットの中で寝返りを打つ。
まだ春先なので少し寒い。布団から出ている腕が冷えてしまって、オレは腕を布団に入れてもぞもぞと体を動かす。
不意に、暖かいものが指先に触れた。
暖かくて、酷(ひど)く安心する、温もり。
寒さを和らげようと、思わず体を近づけると、暖かいものがオレの体を包(くる)んで、引き寄せてぎゅっと抱きしめてくれる。
全身が暖かくて、むにゃむにゃと気持ち良くて、オレはその暖かいものに、思わずしっかりと抱きついていた。
とても心地よくて、昔からよく知っている温度と、安心感。
鼻腔を通って、よく知っている匂いが、した。
美波の匂いと同じくらい、安心できて、心が満たされて、愛おしくて、ずっと側にいて欲しいと思う、大切な大切な、愛おしい狂おしい匂い。
ずっと嗅いでいたい、離れて欲しくない、温もりと匂い。
ああ・・・珀英だ・・・。
そう思って。瞳を開ける。
思った通り、珀英の厚くて逞(たくま)しい胸の中に、オレの体がすっぽりと収まって、ぎゅーーーーっと強く抱きしめられたまま、大きな優しい手が頭をゆっくりと撫ぜている。
顔を上げると、ずっとオレを見つめていた様子の珀英と、ばっちり目が合った。
珀英はアーモンド形の目を嬉しそうに細めると、大きな手でずーーーーっとオレの頭を撫ぜながら微笑んだ。
「おはようございます」
「・・・おは・・・よう・・・」
オレは珀英の腕の中が気持ちよくて、うとうとと微睡みながら、がっしりと抱きついてしまっていたらしい・・・。
それを珀英は嬉しそうにしながら見ていたのかと思うと、少し悔しくて、思いっきり恥ずかしてくて、オレは珀英から視線をそらして体を少しずつ離す。
腕を突っぱねて珀英の腕の中から出ようとすると、逆に珀英がぐいっと腰を抱き寄せて、上にのしかかって抱きしめてくる。
「ちょ・・・離せ」
「ダメです」
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