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 二人は亮介が片付けていた場所へと立っていた。まだ途中だった箱を取り出し、寛希によく見えるように持つ。 「この辺はガムテープや養生テープとかなんだけど、今やってるこれは未使用品を入れてる。で、手前側に小さいやつを入れて、取り出しやすいようにしてる」 「すごい……! 亮介って片付け手慣れてるんだね」 「……姉が通販魔で、整理整頓してたらこうなった。おかげで、段ボール見ただけでだいたいのサイズ分かるようになっちまったし」 「すごい!! 片付けの天才だよ! 亮介がいればここもあっという間にきれいになるよ!」 「そんな天才じゃないよ。何度も何度も繰り返しやらされて、勝手に身体に染み付いただけだ……。特に役立つわけじゃないよ」 「それでもすごい! 俺はぜひともその片付け術を教えてほしいよ!」  初めてしっかりと会話をし、亮介の中にあった寛希の印象はガラリと変わった。  それから亮介は寛希とよく話すようになった。

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