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 祭りが始まると気分は浮かれ、疲れというものを感じさせることなく動き続けられる状態になる。  亮介もそれは同じで、慣れない場所での宿泊もあるはずにもかかわらず、一日中動き回れていることに恐怖すら感じていた。それでも、年に一度の楽しい行事を盛り上げるには、自分自身も楽しむ必要があると思っている。  誰かと行動をしている時は懸命になっており、目の前のことに集中できていた。  だが、一瞬でも一人になると、心の中は一気に言葉にできない不快感に包まれていた。 「はぁ……」  原因は寛希である。彼自身が全て悪いわけではないと分かってはいる。けれども、亮介は寛希のことが頭の中から離れてくれず、一人で不快に思っていた。 「はぁ……」  何度目か分からない溜め息をつきながら、亮介は倉庫へと向かっていた。

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