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どんなに事前の準備を怠っていなくとも、想定外のことが起こらないわけではない。足りなくなったものを取りに、亮介は自ら動いていた。
人気のない場所にある倉庫へ入る。消えているはずの明かりがついていた。
誰かがいるようだ。奥の方でガサゴソと音がする。
亮介はその姿を確かめるためにそちらへと向かっていく。
「お疲れー……っ!」
声を掛けながらその姿を見るなり、思わず声が出なくなってしまった。
そこにいたのは、寛希であった。
寛希も亮介の存在に気付くと、一瞬にして驚いた表情となっていた。
思わぬところで二人きりになってしまい、互いに気まずくてしょうがない雰囲気に包まれた。
喧嘩して仲違いしているわけでもないのに、ここまで言葉が出てこなくなるとは思わなかった。何か話すべきだと亮介は思うが、何と話せばいいのか分からない。このまま気まずい雰囲気で過ごしたくないと思ってはいるものの、それを表現するための言葉は、いくら経っても出てこない。
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