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 思わず右手で拳を作り、寛希の肩をトンと叩いた。 「いてっ」 「俺の緊張感返せ!」  何度も叩き続け、亮介はだんだんと軽く叩き続けることが楽しくなってきた。  しかし突然、寛希の左手が亮介の右手を掴む。強引に開かされた手のひらは、寛希の胸元を触れさせられていた。  そこには、速く脈打つ鼓動があった。 「俺が普通だと思ってた……?」 「それは……俺よりは」 「好きな人目の前にして、普通でなんていられないよ。でも、このドキドキ感が楽しいんだけど」 「分かんねー……あっ、ちょっ!」  亮介の手を掴んだままの寛希の手が、シャツの裾へと入っていく。 「もっとドキドキしたいから、脱ぐだけでも……」 「……お、俺は、脱ぐだけでいいのか?」 「えっ……?」 「セックス、俺は一言も嫌なんて言ってない」  掴まれたままの手を動かしていき、亮介は服を捲り上げる。そしてそのままの勢いで上体を晒し上げた。

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