29 / 40

29

「これだけじゃ、全然足りねーだろ? 俺も、満足してないし」 「亮介……うん、精一杯、優しくするよ」  寛希は再び唇を重ね、亮介に改めて気持ちを示す。同時に、亮介を抱き寄せながら、自らの服を脱いでいく。 「んっ……ん、はぁっ」  離れたかと思えばシャツを脱ぎ捨て、唇は鎖骨へと移動していった。  慣れない刺激は亮介を困らせたが、次第にやって来る快感はやけに安心感を与えてくれた。 「痕、付けるなよ……」 「えぇー。じゃあ、見えないところならいい? こっちとか……」  そう言うと、寛希はさらに下へと移動していき、張り詰めた胸の尖りへと吸い付く。 「あぁっ……そんな、とこ……」 「んむっ……とか言いながら、気持ちよさそうな声出してる」 「いち、い、ち……言う、なっ、あっ!」  空いていた右手で、亮介の精液を塗りたくりつつ、乳首を捏ねる。慣れていない感覚に包み込まれ、しばらくは驚きが勝っていたが、次第に薄れていくと今度は快感が主張し始める。 「ひろ、き……はぁっ、早く、そこは、もう……」 「んっ……俺はもっとしたいなぁ……」  寛希はわざと音を立て、丹念に乳首を舐め上げる。

ともだちにシェアしよう!