53 / 1213

良き友

佐渡と紫藤が欲望をぶつけ合っていたころ、 薬によりしばらく眠っているうちに病室へと連れてこられた未羽は、お尻に感じる痛みに目が覚めうなっていた。 「い…たい。痛いよ…っう」 「みぃ…大丈夫?看護師さん呼ぶ?。痛いのとるお薬くれるよ」 「呼ばない…もう。やだ…。白い服の連中には会いたくない」 「寝れる?」 「分か…んない。ごめん…うるさいよね」 「そっち…行こうか?それかやっぱりお薬もらう?」 「薬きらい」 「じゃあそっち、行く」 千歌は未羽の布団の中に潜りこんだ 「あったかいみぃ。ぎゅしたげる」 「狭く…ない?ちか」 「大丈夫…トントンしてあげる」 「ありがとう」 未羽の背中を千歌は優しく叩いた 「よく頑張ったね、えらいえらい」 「うん」 「大丈夫寝れるよ」 千歌は、ささやき続けた 「…」 「寝た?良かったね、おやすみ未羽」 千歌も目を瞑り2人はスヤスヤと、眠りに落ちた 翌朝それを見た涼木は思わずひそひそと電話をする 「緊急事態ではありませんが3号室へ…」 ・ ・ 早めに出勤していた紫藤と佐渡は見させられた光景にお互いを見合い、クスっとほほえみを浮かべた 「まったく…お子様ですね」 「良き友になりそうで何より」 「私はこれで」 笑みを佐渡以外に悟られぬようにさっと紫藤は退室をし、入れ替わりに佐久間が到着すると佐久間はニンマリと笑った 「はは。かわいいな」 「仕事するか、佐久間」 「はい、佐渡先生」 ご機嫌な様子で佐久間は佐渡とともに医局へと帰った。 ・ ・ 現代の未羽は過去を振り返り、ふぅとため息をついたー 以前の入院時はかなり千歌に助けられた。 でも、あの時と違って今は薬も飲めるし対処もできる。 だけど…誰かに寄りかかりたい気分。 それくらい気分が落ち込む うとうとしながら未羽は本寝していき相馬に身体を預けた 「未羽?寝ちゃったかな?」 相馬は胸ポケットから電話をとり、ステーションへ繋げた 「寝てるからストレッチャーいいかな?」 〝了解しました〝 未羽は病室へと誘導された

ともだちにシェアしよう!