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27歳未羽 混乱

「う…ぃた…ぁー久々かも。この痛み」 久しぶりの痛みの感覚に未羽は目が覚めた あの頃と少し景色が違うが…多分病室だ 「なんで…」 痛む体を起こしベッドの頭元を見ると 患者・遠野未羽さま 主治・紫藤縁医師 「何?マジで入院させられるわけ?てかなんで主治医紫藤先生?」 未羽は焦りナースコールを押した 応答はないが話しかける 「すみません誰かいます?なんか間違いが起きてるかも…」 コンコン… ノックの後、入ってきた人物に未羽は思わず顔を緩める 「ちか!」 「どうしたの?みぃ?眠れない?」 千歌はベッド横の椅子に座る 「うん。て…違うくて…何か間違い?入院した覚えないのにベッドに名前が!」 「間違いじゃないよ?オレも今夜勤入って申し送り聞いてびっくり」 「先生いる?」 「紫藤先生なら帰ったよ?今夜は佐渡先生が当直だけど呼ぶ?」 「呼んでほしい」 「分かった。待ってて」 千歌は病室から出ていった。 明日からの仕事…どうするつもりなんだろう?勤めて1週間も経たずにありえなさすぎの展開に頭が追いつかない ・ ・ しばらくして佐渡が病室へ来た 「よ?大丈夫か?坊や」 「もう坊やじゃないですよ」 「入院に焦ってナースコール押すやつは坊やだ…まったく」 佐渡は椅子に座り、未羽の頭に手を置いた 「よく休みな?頑張りすぎだ。相当疲れも出ていたはずだ」 「で、でも仕事」 「とりあえず明日明後日は休み。3日後は…いったん帰ってもいい。外出ということで」 「いったん?」 「来週また打つから。そしたらまたここに戻る。いいな?」 「そんな……」 「思いつめるな。そんなに長期の予定じゃない。いまはしっかり体を回復させること」 「分かりました。でも…なんで紫藤先生が主治医?」 「ん〜?めずらしく縁がやる気だからな」 「ゆかり?」 「あ〜…紫藤な?」 「先生…佐久間先生に変えれません?」 「なんだ?佐久間の指が恋しいか?」 「ち…違う。知ってるからちょっと安心なだけで」 「縁は指先器用だからたくさんイかせてくれるから安心しな」 「なっ何言って!」 「いいか?ちょっと他の子が心配だからそっちに行くが…また何かあったら呼びなさい坊や」 「はい」 トントンと未羽の頭を数回撫で、佐渡は退室した

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