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うた(27歳)
勤務が終わる間際、1人の青年が少年棟を訪れた。
「あ…あのっ弟が熱って聞いて!」
「弟ってもしかしてうた?久しぶり!背、伸びたね」
「え?ひょっとして未羽?」
「おとくんに会いに来たんだね。こっち」
未羽はうたを部屋へと案内した。
「薬が効いて熱はすっかり下がったんだけど、ちょい落ち込んでてちょうどよかった。おとくんサプラ〜イズ」
「にいちゃんっ」
おとはベッドから降り、うたに抱きついた
「わっ。おと?おまえ病み上がりなんだろ?おとなしくしてなきゃ」
「だって!!さみしかった」
「ごめんごめん」
「れみちゃん元気?」
「うん。元気だよ!早くおとに会いたいって」
「れみちゃん?」
「娘だよ?」
「えーっマジに結婚したんだ!?」
「そ。3年前かな?娘ももうじき1歳だよ。心配してた子どももすぐできて」
「紫藤先生にあった?」
「いや?会いたくないし。このまま退散するよ」
「でも…」
「手紙は書いたよ。かわいいロンパースを返事に送ってきてくれてね。でも会うのはマジで怖いからやめとく」
「すっかりよくなってよかったなぁ」
「未羽だって元気そうで安心したよ?」
「今度さ、ちかと3人で呑も」
「了解」
「にいちゃんたち仲良し?そっか本当に治るんだ。頑張れば」
「うんそうだよ。負けるな負けるな」
「じゃあ、おと?また来るから」
「うんっまた来てね。約束」
うたとおとはグーとグーを合わせ、コツンと合わせて手を振りおとの部屋をうたは退室した
「ぶっちゃけおと、退院できるかな」
「ん〜それは相馬先生とご相談かな?恐怖を克服しなきゃ」
「まあまた来るよ。んじゃ」
久々の再会は幕を閉じた
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