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瀬谷の息子
着替えが終わると2人は外来棟へと向かった。
「一応お前、入院中だから無理すんな?で、そう緊張しなくていい。今日は休診だけど定期受診担当の紫藤先生と違って新患担当は受診人数少ないからあっという間に終わる」
「はい、先生」
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順調に診察をしていき、最後の患者の呼び込みで佐久間は固まった
「瀬谷紫苑 …まさかな」
そのまさかだった。
診察室が開くと、やや年老いた瀬谷元局長と15歳くらいの見た目の少年が現れた
「げ。瀬谷…先生」
「やあ由宇。昨日ぶりだね」
「なんで?来るなら来るって昨日言ってください」
「いやぁ…さすがに誰が聞いてるか分からないところでは話せない。うちの息子がな15だというのに未精通で入院させにきた」
「えーと…紫苑くん、未精通ですか?それは確かに遅いですね」
「それはそうと由宇?昨日これも言えなかったが定期受診をサボってもらっては困るんだがな?」
「特に問題なく過ごしてるんで」
「年内に一度は来いよ」
「気がむいたら…。つーか俺の話はいいんだけど、紫苑くん預かりますよ?」
「ああ頼んだ」
「お父さん、本当に入院しなきゃダメなの?」
「だめだ。何かあったら泌尿器外科に連絡をくれ」
「分かりました」
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医局に戻った未羽は佐久間に話しかけた。
「佐久間先生?泌尿器科に入院してたんだ?」
「いや…ぶっちゃけ俺って少年棟の一回生なんだよ」
「え?」
驚きに未羽は固まった。
「まあ驚くよな?言ってなかったし。瀬谷先生が主治医でな。聞きたい?」
「うん聞きたい」
「んじゃ座るか」
2人は医局のソファに隣り合って座り、佐久間は話し始めた
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