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朝の散歩

約束通り佐久間は朝1で未羽を部屋まで迎えにきた。 「よっ散歩行こっか?」 右手を顔の横にあげ挨拶すると佐久間は未羽の顔をのぞきこみ 「あ?なんかちょっとおまえ機嫌悪い?」 ご機嫌を、たずねた。 「だって、これ」 絆創膏の貼られた腕を未羽に見せられて佐久間は苦笑を浮かべ 「なんだ血ぃ採られて凹んでたわけ?1回で済んでんだから良かったじゃん?」 なだめるかのように未羽の頭を撫でた 「うん。でも刺し逃げされたからなんか不満」 「今日の明け涼木だよな?あいつそんなことする?あ、おまえ飴いる?」 「いらない。違う。ちか」 「なんでちか?」 「周防師長の指示だって」 2人は部屋から出て病棟を歩きだした 「周防師長はあの人管理職なのにわりと思いつきで動く人だから気にすんなよ?で、この後だけど…俺、外来入ってるんだよ。来たい?」 「え?いいの」 「ああ。見学くらいなら問題ない。モチベーションもあがるだろ」 「うん。ちょっとやる気でたかも。あ、先生。明日はとりあえず帰らないで病院にいます。早く治したいし」 病棟から出て連絡通路を渡り本院に渡ると佐久間は突然呟いた 「おまえかわいいよな」 「は?何ですか?」 「いや…こっちの話し」 きっと痛いの堪えるみぃを見て千歌のやつ興奮したんだろうな… かわいいやつら。 佐久間はにやける顔を悟られぬよう横を向き、更衣室へと向かった。 「みぃ、病衣のまんまじゃアレだからKCに着替えな。待ってる」 「分かった」 未羽は更衣室へと向かい戦闘服であるKCへと着替え 「よしっ始動!」 医師の顔へと変貌し、更衣室から退室した。

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