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入院翌日1

しばらくの無音の後、最初に口を開いたのは紫藤だった。 「未羽…唐突ですが恋人は?」 「え?本当に唐突すぎません?」 「大事な聞き取りです」 真剣な口調で尋ねてくる紫藤に未羽は一度座り直し首を横に振った 「いないです。余裕ないし」 「では好きな人は?もしくは定期的に行為に及ぶ友人とか?」 「なっ。どっちも無いですって」 「なるほど…あなたは恋愛不足です。恋愛しなさい」 「先生に言われたくないかも。何歳か知らないけど独身ですよね?先生こそ恋愛したらいいと思う」 「私は結婚こそしていませんがそれに近しい間柄の方がいるので大丈夫です。おしゃべりは時間の無駄なのでとっとと済ませてしまいますよ」 紫藤は立ち上がりお道具カートの所へと歩いていき未羽の元へと引いていき 「使ってみたいもの…もしくは使い方がわからないものは?今後の仕事ために私自ら指導してあげましょう」 「紫藤先生が指導?」 未羽は声に出してみて寒い親父ギャグに思わず笑い声をあげた 「ははっ紫藤先生が指導って変なの」 「受けてるとこ悪いですが早く決めてください」 「って言われてもな…おしりとかちんちんに挿れる系はイヤですよぼく。そもそも道具はなんか怖いからやだ」 「おしりから前立腺刺激するほうが手っ取り早く勃つし快感を得られますよ。なんと言ってもそのための道具だから」 「痛いからヤです」 「痛い?気持ちよくなるための道具なのに?使うと気持ちよくなりすぎるからでなく?」 紫藤はカートの中身を物色しスイッチを入れたり切ったりしながら未羽と道具を交互に見 「あ…。おもちゃが嫌いですか?あまり私のことを好意的に感じている気がしないから指でやられるよりいいかと思いましたけど…それとも佐久間がよほど下手くそだったか…」 紫藤が推測を始めると未羽が立ち上がって怒り 「違うよ!佐久間先生はちゃんとそんなの使わなくたって気持ちよくしてくれたしっ」 佐久間を悪く言われてむっとむくれて未羽はそっぽを向いた。 「主治医、佐久間がよかったですか?」 「え?」 図星をさされて動揺した未羽が紫藤に視線を戻すと傷ついた表情をした紫藤がいて未羽の心は少しズキンと痛んだ

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