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看護師涼木2(うた)
そうして配属されて2年も経つとすっかり慣れて、患者の子たちとの接し方も板についてきたころ、うたが入院してきた。
この頃普段あまり姿を見せていなかった紫藤が外来から彼を米俵みたいに担いで入棟してきた時は目ん玉が飛び出た。
「ちょっ!何ごとですか?」
「あんまり暴れるので眠らせて連れてきたまでです」
「いや、だからって担いでこなくても」
「食べてないんでしょうね、この子。軽すぎます。高カロリー食を指示しておきます。食事量は必ずチェックで」
「は、はい。先生、俺たち呼んでくださいよ。ストレッチャー持っていったのに…看護記録に担がられて入棟なんて書くのやだなぁ…。あー…その前にベッド作ってないですよ!」
「このまま処置2に行くので大丈夫です」
「あ、じゃあドア開けます」
「頼みます」
2人は歩き、処置2へと移動した。
「ホルモン異常の子ですか?」
「そう。中岡 うた、17歳なのにまだ未精通。平均12歳と思うと…たぶん長期入院ですね。またカルテに目を通すといいです」
処置2へつくと紫藤は中へと入っていった。
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