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ふたりのにぃに

うたがおとの病室に来ると仲良く通りこしてイチャイチャしているおとと高校生くらいの茶髪の子がいた。 「おと、入るよ?」 「あんた誰?」 ものすごい眼光で睨みつけてくる子はさっと手でおとを覆い守るような動作をしている この子が、かおるくんかな? 「にぃに!」 「にぃに?おとの?本当?」 かおるは手を下ろした 「うん。うっちゃん。また来てくれたんだ!嬉しい」 「仕事が早く終わってね」 おとに近づきうたはおとの頭を撫で、かおるに頭を下げた 「仲良くしてくれてありがとう。おと、甘えん坊だから心配してたんだ」 「あ…いや、別に」 かおるは照れくさそうに視線をそらした 「にぃに!かおるくんって言うんだよっ。にぃにみたいに優しくしてくれるの!」 おとのニコニコとした笑顔にうたは安心した 「よかったね?おと。病棟のにぃにがいて」 「うんっ」 「じゃあにぃには帰っちゃうけど、かおるにぃにの言うことよく聞いていい子にね?」 「分かった」 「かおるくん、おとをよろしく頼みます」 かおるは視線をうたに戻し頷いた 「頼まれた。あんたの変わりにここにいる間は守るし、面倒みるから」 「かおるくんいい子だね、じゃあ行くね」 うたはおとにぐーを見せ、おとはぐーにぐーをくっつけ、いつものさよならの挨拶をした 「また来てね」 「分かった」

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