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早朝採血2

千歌の顔は堅くひきつり凍りついていた。 そりゃそうだ…周防先輩はgoing my wayすぎる。 「千歌?えと…大丈夫か?」 「気分最悪です」 「あの人はああいう人だから」 「みぃに嫌われたら責任とってくださいね」 いつになくローテンションの千歌はおつかれも言わずにふらふらと死人のように歩いていき、ステーションから姿を消した。 そうして早朝、、 涼木は採血道具一式を持ってそーと病室に入り、手元ライトをつけるとゆきの手の甲を縛り見えない血管を指の感覚で確かめ消毒をするとトンボのような黒い羽の針を刺した。 「いっっ…たぁ…」 「おはよう」 チラッとゆきを見てすぐに目線を針に戻すとチューブの中に血が入り羽をテープで涼木はとめた。 「うー…痛い。また…血ぃ採りきたわけ?やだって言ったじゃん」 「もう血管入ったからじっとしてな」 採血ホルダーにスピッツをセットし、動かないように涼木はゆきの手を押さえた。 「あ〜…もう本当寝込み襲うとか反側。目覚め最悪」 「ごめんごめん。あ…やべ…血が止まった」 「え?何?何?まさか失敗?刺しなおすとか言う?」 「違う違う。一回手を縛りなおすからその後グーパーして協力して。そしたらもう一回注射しなくても血が出るから」 駆血帯を一度外し、縛りなおそうとするとゆきが手を動かした 「やだっ」 「え?大丈夫大丈夫だから!ゆき針が抜けるって!」 涼木はゆきの手を押さえゆきを落ち着かせようとしたが余計に暴れてゆきは泣いた 「いやぁ縛らないでっっ」 騒ぎに気付いたこころが目を覚まし慌てて駆け寄ってきた 「何?なんでゆき泣いてるの?」 「いやただの採血。ちょっと血の勢いがとまってるから力入れてほしいんだけど怖いみたいで」 「ゆき大丈夫?」 「こころ助けて。涼木さんがいじめる」 「違うって。こころ、ちょっと協力して?ゆきの前腕をさ、ぎゅっと絞ってくれる?」 使えるものはなんでも使えだ。 「え?こ…こう?」 「そう。で、ゆきは手をグー」 「ゆき、グーだって。できる?グー」 「うん」 「あ〜…よしよしひけたひけた。こんだけありゃ十分。今日はこのまま鉄剤注射するからもうちょいじっとしてて」 「えー…」 「後からまた刺されるのイヤだろ?こころ、反対側に回って手を握ってやって?」 採血ホルダーを外し、涼木は真っ黒い液体の入った注射器を針のチューブに接続し 「んじゃ入れてくな」 ゆっくりと注入していった 「ん…ぅ〜……痛い」 「よーし、いい子。血管痛辛いよな…あと、少し」 しかしなんでこんな貧血?精査指示まだ出てないけどもし出たら…うわ、休みたい 涼木は悪い予感がして身震いした。

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