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祖父江と真尾からのお叱り

カツカツカツ…カツン 革靴の独特な足音を立て祖父江はステーションに踏みいれた 「いいかな?」 「な…なんでしょう?ってそのお顔…」 「これは由宇ってにゃんこがガリっとね。ちゃんと躾といてくれないと困るよ。君らナースくんの仕事だからね生活態度の是正は」 「申し訳ございません。あの…手当を」 「問題ない。それより今日の彼の担当に伝えておくように。爪が長い、陰部に恥垢だまりあり不衛生だ」 「は…はい」 「夜勤の君に言っても仕方ないが頼むよ。今夜はよろしく」 「おつかれさまです」 「…と、いうわけでお叱りをいただいたから気をつけるようにね?じゃ、おつかれさま」 「えとすんませんでした。先輩。おつかれさまです」 周防はがっくりと肩を下ろし、椅子にガタンと音を立てて座った。 「やってもうた…」 「周防…ちょっと面談室いいかな?」 「いっ…師長…はい」 〝当人に外傷ないも夜勤看護師軽度の裂傷あり日勤帯へ爪切りを申し送り再発防止を予防す〝 「牟呂の記録だけど、なんで爪切りしなかったのかな?たかが爪切りと思った?」 「あ…いや」 「言い訳はいいからね。膀胱留置した時に確認しなかった僕も悪いけど、ここの子たちは痛みや恐怖で暴れる可能性は充分できたわけだからこれは防げた事故だと思うんだ」 「はい」 「陰部洗浄に関しては明けの子が夕べのうちに対応してくれたから。看護計画しっかりね」 「はい…」 「落ち込まなくていい。関西弁はよく分からないけど失敗してなんぼだよ?きみは寄り添う看護ができるんだからもう少し広い目で見れるといいね」 「すみませんでした」 「大丈夫。まだ襟のエンブレムは若葉マークなんだからたくさんミスしていいんだよ。そのために先輩たちも僕もいるんだからね。さて、爪切りいけるかな?」 「はい、行ってきます」 「よし、行ってきなさい」

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