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由宇 保護観察室入室2

「周防、由宇くん保護観察室入室指示が出た」 「は?精神科やないのになんで?」 「検査で逃亡はかって点滴を自分で引っこ抜いたらしい」 「なんやねん、それ」 「言いたいことがいろいろあるのは分かる。僕も同じ気持ちだから。とにかくすぐ抑制帯の用意して。あと、受傷してるから処置道具も」 「抑制帯なん、どこにあるん?てかなんで抑制帯?拘束するん?」 「それは阻止した。万が一のために準備するだけにしてもらったから。保管場所はこっち」 周防は真尾についてステーションの奥にある保護観察室で準備をはじめた。 重たい鉄の扉を開け中に入るとエアマットの乗ったベッドと水の張られていないトイレのみがスミに見える 天井が高く頭上にはカメラがあった 「うーわ…実習で見たもんが目の前にある。変な感じや」 「いーい?抑制帯はマグネットが鍵になっているから必ず数を確認して。それから解除用の鍵は肌身離さずね。エアマットのスイッチを入れて体重は…」 「45やったです」 「は?165はあるよね?彼」 「あんまり食べんもんやから」 「うー…祖父江先生、経鼻栄養指示出すかもしれない」 「なっ。夜勤中にチューブが抜けたらどないするんです?ダブルチェックせなあかんやん」 「そりゃ他科に依頼するんだよ」 「うーわ…死ぬ気で食べさしたろ」 ギィ… 扉が開くと祖父江と由宇を抱えた瀬谷が現れ、準備されたベッドに由宇が寝かされた 「準備ご苦労さま。11時00分ちょうど。保護観察開始」 祖父江は腕時計を見、開始を告げた 「由宇くん…」 点滴を無理矢理抜いて怪我をしている由宇を見て周防は悔しそうに顔を歪め、消毒をしガーゼをつけ 「痛々しいわ」 悲しそうに呟き、ガーゼの上にそっと手を置いた 「真尾、点滴差し替え頼んで大丈夫かい?」 「はい瀬谷先生。こちらで対処します。お二人ともお疲れさまでした」 「真尾!これを」 ポイッと祖父江は小ぶりのアナルプラグを真尾に放り、真尾は慌てて受けとった 「先生っ。備品なんですから大事に!」 「すぐ怒るなぁ…魔王は」 「先生ほどじゃありませんっ」 「まぁいい。内腔があまりに狭かったから装着しといて。あれじゃクスコ入れるのにさすがに可哀想だ」 「先生、そういう優しさが患者さんに伝わってません!ただ痛いことするだけの人に成り下がってるのご存知で?」 「時には必要だ。鬼になるのも」 「鬼になりすぎ!」 真尾はブーブー怒り、何も知らずにスヤスヤ寝ている由宇のやや長めの前髪をすき頭を撫でた 「ごめんね」

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