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仲睦まじい祖父江と臣

臣の部屋へ行くと笑い声が聞こえる トントン… 遠慮がちに顔を出し、中へ入ると臣のベッドの横に座り談笑してる2人が見えた 「えと…仲ええですね?」 なんやねん…椅子あるのに、患者さんのベッドに座るとか 「どうした?」 「いえ。受け持ちになったもんやから挨拶に来ただけですわ」 「律儀だな」 「当たり前やん。周防雅宗や。よろしゅうな?」 「看護師さん大阪の人とね?喋り方可愛いかね」 「関西転々な感じ。親が転勤族やったから」 「地震…知っとると?」 「そうやね。何年くらい前やったかな?たぶん地震なかったら看護師しとらんかったかもしれん」 「怖かね」 臣はぶるぶると体を震ってみせた 「臣くんの喋り方もめっちゃ可愛いで?」 「そんな可愛いかと?」 「うん」 「先生、べっぴんな看護師さんに可愛いか言われたとよ。嬉しか」 「べっぴんか?」 「なっ。それ聞き返すとこやないと思う」 周防がむくれて文句を言うと臣はクスクスと笑った 「周防さんすごかね。祖父江先生に口ごたえする看護師さん(よい)ちゃん以外ではじめて見たとよ」 「よい?」 「真尾師長だよ」 「え?師長…なんか可愛い名前やな。知らんかった」 「当人恥ずかしがってるから。言うなよ」 祖父江は釘をさした 「先生、気づいてないんかもしれへんけど、臣くんとまわりに対する態度まるで違うで?」 「そんなことはない…それはそうと、臣」 ツンとした態度で言い、照れ隠しに頬をかくと祖父江は臣の顔に手を添え、まぶたを下げた 「貧血…進んでるか?」 「3ヶ月前は14あったとよ。よかろうもん」 「基準値ギリだな。明日採血な」 「嫌」 「おーみ!」 「小児科で、少年棟は先生たちがほぼする聞いたと!先生がやるとやろ?先生、痛かったのオレ、覚えとるばい」 「針を刺すんだから痛くて当たり前と言ったろ。半年前と変わらないな?注射嫌い」 やりとりを見て周防は笑った 「何ば笑いよるとか?危機やのに」 「いやな?ほんまに長い付き合いなんやなぁって。見てて微笑ましいわ」 「周防、申し送りはいいのか?夜勤看護師が来る時間では?」 「え?そないになる?申し送ることぎょうさんあるで早よ行かな。臣くんほなな?祖父江先生もおつかれさまです」 祖父江に頭を下げて、周防は部屋から出ていった なんやろ?不器用なんかな…祖父江先生 人見知り? よー分からん…

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